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2007-03-06 12:30

「裁判員制度」の導入を前に

小笠原高雪  山梨学院大学教授
 英国の作家グレアム・グリーンは「投書狂」であったそうだが、私は決してそういう種類の人間ではない。とりわけ目下は締切原稿に追われる身であり、編集者が本欄を読んでいないことを祈りながらこの文章を書いている。しかし、仕事の合間の気分転換のために開いたインターネットで、自分に言及された投稿を二本も見つけたからには、最小限のことは記しておかないわけにゆかないだろう。

 伊奈氏は「佐島さんは『小笠原氏の投稿に同感である』とされています。おふたりの議論の内容は、重なる部分はありますが、違う点もあるように思います」と書いている。実のところ私も、佐島氏が私の投稿の何に「同感」してくださったのかを、正確には承知していない。佐島氏の投稿は「それに加えて、いくつかの私見を列挙」したものであって、私の投稿自体を論評したものではなかったからである。

 他方、佐島投稿の後続の記述には、佐島氏が映画の持つかもしれない悪影響にのみ注目しているような印象を与えかねないところがあった。私はそうした悪影響への注意の必要性を認めるとともに、それとは別個の積極的な意義をも映画に見出している。佐島投稿にはまた「小笠原投稿にあるような日本の刑事裁判制度に対する国際的な偏見」というくだりがあった。私は以前にも述べたように、批判が「偏見」に過ぎないとは断定できず、「偏見」に過ぎないかどうかを含めて絶えざる自己点検が必要であると考えている。

 かぎられた紙幅のなかでの議論には限界があるし、電子メイルにも似たネット上の投稿には特有のリスクも伴う。詳しいことは専門外で分らない、と言って逃げたい気分もあるが、「裁判員制度」の導入は目前に迫っている。
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