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2016-06-01 20:08

(連載1)ヒラリーを悩ますメール問題

児玉 克哉  社会貢献推進機構理事長
 アメリカ大統領選の予備選挙では、民主党はヒラリー・クリントン氏、共和党はドナルド・トランプ氏でほぼ決まりました。ヒラリー・クリントン氏はこのステージになってもサンダース氏に負けることも多く、勢いはありません。しかし、トランプ氏を嫌がる人も多く、クリントン対トランプとなったら、クリントン氏が勝利し、史上初の女性アメリカ大統領が誕生すると見られています。共和党の主流は嫌々ながらトランプ氏に乗ろうかどうかとまだ迷っている状態。一丸となって大統領選を戦うということはないでしょう。宗教的保守やいわゆる資本家グループがトランプ氏の支持に躊躇する状況では勝ち目は薄いと言わざるを得ません。アメリカの中南米や中東などからの移民の割合は大きくなっており、彼らの多くは民主党を支持しています。クリントン氏対トランプ氏となるとクリントン氏がかなり有利な戦いになるとみるのが普通です。クリントン氏はあまり人気がないので、共和党からまともな候補者が出てきていたら厳しい選挙となったでしょうが、トランプ氏が相手であれば、勝つ可能性が高いのです。

 しかし、クリントン氏にはアキレス腱があります。いわゆるメール問題です。国務長官在任中の公務に私的な電子メールアカウントを使っていた問題で、クリントン前国務長官の側近が、連邦捜査局(FBI)の事情聴取を受けたことが報道されています。クリントン氏も「向こう数週間」で事情聴取を受けるようです。

 まだメール問題は終わっていないのですね。「HUFFPOST POLITICS」(2016年1月29日付)では、政府はヒラリー・クリントンのeメールの中に最高機密情報を発見していることが報じられています。どのような内容か、クリントン氏自らが送ったのかどうかは分かりせん。しかし、かなり深刻な嫌疑がかけられている可能性があります。アメリカ大統領選挙の予備選の最中に、有力大統領候補者を事情聴取しようというのですからかなりの問題があると考えるのが当然でしょう。

 ポイントはどのレベルの機密情報がクリントン氏の個人サーバーにあったのか、それが盗まれたりして実害があったのか、クリントン氏はその重要性を理解していたのか、などです。かなり長い調査が行われており、いまだに終わっていないのですから、いきなり問題が顕在化する可能性があります。はたしてクリントン氏は大統領候補として耐えれるのかどうか。(つづく)
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