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2015-07-10 10:32

(連載3)安保法制の本質的なところについて

緒方林太郎  衆議院議員
 これまでの周辺事態においては、国会審議時に当時の野呂田大臣による六類型というものがあります。以下のようなものです。①我が国周辺の地域において武力紛争の発生が差し迫っている場合であって、我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合、②我が国周辺の地域において武力紛争が発生している場合であって、我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合、③我が国周辺の地域における武力紛争そのものは一応停止したが、いまだ秩序の維持、回復等が達成されておらず、引き続き我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合、④ある国の行動が国連安保理によって平和に対する脅威あるいは平和の破壊または侵略行為と決定され、その国が国連安保理決議に基づく経済制裁の対象となるような場合であって、それが我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合、⑤ある国における政治体制の混乱等によりその国において大量の避難民が発生し、我が国への流入の可能性が高まっている場合であって、これが我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合、⑥ある国において内乱、内戦等の事態が発生し、それが純然たる国内問題にとどまらず国際的に拡大しておる場合であって、我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合。

 今回、法改正をすることでこの野呂田六類型がどうなっていくのかということを問いました。普通に考えて、①~③にある「我が国周辺の地域において」という言葉を落とせば、新六類型になるのですかと問いました。そうすると、以下のようになります。①武力紛争の発生が差し迫っている場合であって、我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合、②武力紛争が発生している場合であって、我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合、③武力紛争そのものは一応停止したが、いまだ秩序の維持、回復等が達成されておらず、引き続き我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合、④ある国の行動が国連安保理によって平和に対する脅威あるいは平和の破壊または侵略行為と決定され、その国が国連安保理決議に基づく経済制裁の対象となるような場合であって、それが我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合、⑤ある国における政治体制の混乱等によりその国において大量の避難民が発生し、我が国への流入の可能性が高まっている場合であって、これが我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合、⑥ある国において内乱、内戦等の事態が発生し、それが純然たる国内問題にとどまらず国際的に拡大しておる場合であって、我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合。

 ただ、これだととても、とても広いものを拾ってしまう可能性があるのです。特に②「武力紛争が発生している場合であって、我が国の平和と安全に重要な影響を与える場合」なんてのは、もう何でもありのようになってきます。だからこそ、新六類型を出せないのだと思います。この「我が国の平和及び安全の定義」、「新六類型」、いずれも明確な答弁はありませんでした。さすがにこれは無いよなあと思います。もう少し明確化しないと、それこそ、「打ち出の小づち」として何にでも発動出来ることになります。

 長々と質問しました。技術的なことが多かったので、あまりメディアには取り上げられませんけど、法律の本質的なところではないかなと思います。(おわり)
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