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2015-07-07 21:12

安保法案成立を願う

田中 信彦  学生
 七夕の今日、安保法案反対デモに参加している人々は、短冊にどのような願いを込めているのだろうか。おおよそ、安保法案反対はもとより、戦争反対や世界平和といったところであろうか。そのようなことを考えていた今日この頃、安保法案に対するデモの声や野党の追及を聞いていて、一つ、気になる言葉があった。それは、「安保法案は時代に逆行している」との言葉である。

 確かに、米国をはじめとした主要国は、内向き志向にあるようにもみえる。ウクライナ危機への各国の消極的な対応、東シナ海、南シナ海での中国の暴走の静観、ギリシャのデフォルト危機など、本来であれば主要国が積極的に対応すべき危機が今そこにあるにも関わらず、米国もEUも、内向き志向から自らの利益のみを追求しているかの如き様相を呈している。このように、主要国が内へ内へと閉じ籠っている中、日本のみが積極的平和主義の下、集団的自衛権の行使を可能とする安保法制化を以て外へ外へと出ていく様は、デモ参加者や野党をして「時代に逆行」とうつるのであろう。

 しかし、内向きといえども、その傾向が未来永劫続くわけではない。米国のオバマ大統領は2016年にその任期を終えるが、その後の政権ではこれまでの内向き傾向の反動でより積極的な外交を展開するかもしれない。さらには、主要国が内向きであろうがなかろうが、テロや誘拐、海賊などの脅威は厳然として目の前に立ちはだかっており、これらには主要国による軍事的オペレーションを伴う不断の努力をもって応じていかなければならない。そして、それができる力をもつ国は世界に数ヵ国しかない。日本はその数少ない国の一つなのである。

 このように、「時代に逆行」という場合の「時代」とは、米国オバマ政権の内向き志向など、極めて短期的、限定的な情勢を捉えたものだと言えよう(もっとも、デモ参加者は、そこまで現下の情勢を踏まえた上でこの言葉を使っているのではなく、安保法案反対のための単なる枕詞のようなものとして使っているのかもしれないが…)。七夕の今日、私は我が国をして時代に追い付き追い越さんとする安保法案の成立を願う。
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