国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「議論百出」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2015-06-10 10:38

(連載2)安保法制違憲論は太平楽

芹沢  健  会社員
 このように冷戦終結後も新たな敵を模索し続けてきた『007』シリーズであるが、実は冷戦終結後、このシリーズはもう一つの「敵」、いうなれば「内なる敵」を視野に入れるようになった。それは、ほかならぬ「スパイそのものが冷戦時代の遺物であり不要」という「スパイ不要論」である。

 2012年公開の『スカイフォール』では、この「敵」が真正面から扱われている。この作品の山場の一つは、Mが「スパイ無用論」を掲げる政治家から秘密情報部の存在意義を厳しく問い詰められるシーンである。そこでMは反論する。「あなた方と違い、我々には恐ろしい世界が見えています。我々が対峙しているのは未知の敵であり、地図にも載らず、国家でもないのです。いまや敵の姿はおろか顔も軍服も国旗も見えない、影に覆われた不透明な世界で戦わなければならないのです。我々の無用論を唱える前に答えて下さい。本当にご自身が安全だと言えますか」と。ちなみにこの作品は『007』シリーズとして過去最高の興行収入を記録したという。
 
 さて、ひるがえってこの日本である。上のMのセリフはまさに安保法制審議で揺れる我が国への痛烈な問題提起となりはしないだろうか。英国でさえそのような「恐ろしい世界」が見えない、あるいは見ようとしない人々がいるのだ。「いわんや日本をや」である。先日の日本年金機構に対するサイバー攻撃は、その「恐ろしい世界」が表面化した一例に過ぎない。犯人はおそらく闇の中であろう。まさに「未知の敵」からの脅威である。狙われたのは、年金情報という我々一般国民の情報である。これは現実なのだ。今後このような脅威は増えることはあっても減ることを想像することは難しい。

 このような状況下にあってもなお「スパイ不要論」どころか安保法制違憲論を唱えて得々としている学者の先生や、日本のあらゆるセキュリティー強化に反対している政治家・言論人のみなさんがいる。そのような方々にお尋ねしたい。「本当にご自身は安全だと言えますか」と。(おわり)
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『議論百出』から他のe-論壇『百花斉放』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム