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2014-11-27 10:56

(連載2)世論調査が示す民意の迷い

中村  仁  元全国紙記者
 解散そのものに対しては、日経が「反対51%、賛成23%」、読売は「評価しない65%、評価する27%」と、さんたんたるテータです。「なんのための解散か」、「大義なき解散」と酷評される受け止め方がそのまま反映されています。アベノミクスはまだ2年、前半戦が終わりかけた段階に過ぎません。経済が好循環の局面に入って行けるのかは、後半戦を待たずに判定は下せません。前半戦の成果も評価が割れています。消費増税の先送りにしても、なにも解散で信を問う必要がないし、その先には「先送りした分だけ歳出削減は厳しくなる」という現実が待っているのに、その姿を明らかにしていません。

 そんなに安倍政権への批判が強いなら、選挙では相当な苦戦が予告されるのかなと想像すると、違うのですね。自民党への支持は、朝日が「自民32%」、日経「35%」、NHK「40%」、読売「41%」と、民主、維新、公明などをはるかに引き放し、自民は1強なのです。

 世論は冷めている時は、意外なバランス感覚を見せます。今回はそうでしょう。アベノミクスへの評価、解散への評価では、突き放した見方を示しても、実際の政治選択では、「政治の安定」(朝日調査で50%)を優先しつつ、「野党が議席を増やす」(同36%)が「与党が議席を増やす」(18%)を圧倒し、野党はもっと頑張ってもらいたいという気持ちなのです。

 有権者は困りはてているのです。そんな中で「アベノミクスへの信認を」、「公明党が実現させる軽減税率」という掛け声ばかりが聞こえてきます。小泉政権に対して聞かれた「政治を単純化しすぎるワンフレーズ・ポリティックス」という批判が今また必要なのかもしれません。(おわり)
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