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2013-05-13 10:44

反プーチン派集会参加市民激減、1年前の熱気はどこへ?

飯島 一孝  ジャーナリスト
 プーチン大統領が復帰してから満1年の5月6日夕、モスクワで反プーチン派集会が開催され、市民約8千人(警察当局調べ)が参加した。1年前の集会には約4万人が参加、治安当局との衝突で約450人が検挙された。この1年で反プーチン運動が下火になり、市民の間で“諦めムード”が広がりつつある。インタファクス通信によると、集会は昨年と同様、モスクワ中心部のボロトナヤ広場で開かれた。主催者は参加者3万人を目指したが、予想を大幅に下回った。ネムツォフ元第一副首相は、同一人物が大統領を2期以上務めることを禁止する憲法改正を求める決議文を読み上げたこれはプーチン氏の多選禁止を念頭に置いたものだ。さらに、野党や市民活動家に対し、テレビで演説する機会を与えるよう要求した。

 また、早くも次期大統領選(18年)への出馬を宣言したナバリヌイ弁護士が「我々は何者も恐れない。我々は家族や子供たちのために、新しい未来のために戦っているからだ」と演説すると、参加者から「彼こそが大統領だ」という歓声が上がった。治安当局は集会・デモで、覆面や火気を使用したことを理由に6人を拘束したが、大きなトラブルはなく終了した。主催者側は警察当局が発表した8千人より多数の参加者があったと主張しているが、昨年春ごろまでの反プーチン運動の熱気が覚めたことは明らかだ。

 7日付けのコメルサント紙は、世論調査機関レバダ・センターが先月末に行なった次期大統領選挙に関する調査結果を掲載した。それによると、18年の大統領選で「新しい指導者の当選を希望する」と答えた人が55%にのぼり、「プーチン大統領の再選を希望する」と答えた26%を大きく上回った。その理由として、社会的公正や汚職撲滅を求める意見が多かった。だが、実際に誰が当選するかを予想する質問に対しては、「プーチン大統領が残る」と答えた人が最も多く、31%だった。次いで「メドベージェフ首相以外の後継者」と答えた人が19%、メドベージェフ首相と答えた人が16%、中立系の大統領と答えた人が15%だった。

 「何を言っても結局、大統領はプーチン氏以外にいない」。これがロシア国民の大方の見方に違いない。プーチン氏は憲法の規定で、さらにもう1期(6年間)大統領を務めることができる。プーチン氏が大統領の座にいつまでも居座り続けていることが、再び政治への無関心を生んでいるのは間違いない。この閉塞感を吹き飛ばす妙案はないのだろうか。
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