国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「議論百出」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2012-11-14 10:07

(連載)米兵に怒り狂い、中国人には沈黙する日本人(2)

酒井 信彦  日本ナショナリズム研究所長・元東京大学教授
 ところで外国人による日本人に対する暴行事件は、別に沖縄だけで起きているわけではない。中国では9月の虐日国家テロで、日本人が暴行を受けたが、それは完全に治まってはいないようだ。比較的最近の例では、10月26日の夜、上海に隣接する江蘇省太倉市の飲食店で、二人の日本人が二人の「中国人」から暴行を受けて、顔面を負傷させられた。11月2日の産経新聞の河崎真澄記者の記事では、「上海の日本総領事館によると、中国人の男2人が飲食店で店側とトラブルになり、日本人客2人が仲裁に入ったところ、男2人が殴りかかってきた」「暴行被害にあった日本人のうち1人は駐在員で1人はその友人。2人とも病院で手当てを受けた。日本人を標的にした暴行事件の可能性もあるが、詳細は明らかにされていない」とある。この「詳細は明らかにされていない」というのが、なかなか曲者であり限りなく怪しい。

 そのあたりを考慮したのであろう、この河崎記者の記事の末尾には、次のように事件の背景説明が、キチンと付け加えられている。「5万6千人を超える中国最大の在留邦人を抱える上海と周辺地域では、日本政府による9月の尖閣諸島の国有化決定以降に、路上で突然、ラーメンを頭からかけられるなど日本人が中国人から暴行を受けるケースが多発。先月も上海市内で日本人らが刃物で切りつけられる事件が起きている」。

 では朝日新聞はこの中国の事件を、どの様に報道したのであろうか。それは産経より一日遅れて、11月3日の国際面の「地球24時」という雑報欄に出ていた。雑報欄であるから、ニュースとしては最も軽い扱いであり、完全なるべた記事である。「中国・江蘇省太倉市の飲食店で10月26日夜、日本人男性2人が中国人男性2人から暴行を受け、顔に軽傷を負っていたことがわかった。店側と中国人2人がトラブルになったのを仲裁に入ったところ、殴られたという。上海の日本総領事館によると、被害に遭ったのは日本企業の駐在員とその友人」。全文たったのこれだけ。外国人によって日本人が暴行を受けた事件なのに、沖縄の事件との格差・差別は、文字通り天と地ほどの違いである。

 朝日は同じ11月3日の沖縄の事件に関する記事では、沖縄の識者二人に次のようにコメントさせている。「前泊博盛・沖縄国際大学教授は『沖縄は寛容だという誤ったメッセージが米兵に伝わり、犯罪を軽く考えているのではないか』とみる。糸数慶子参院議員は『なぜ沖縄はおびえながら生活しないといけないのか』と批判した」。しかしこのコメントは、中国の暴行事件の方に、比較にならないほど当てはまる。いくら殴られても黙っている日本人を、中国人は完全に舐めきっているのであり、中国在住の日本人は、いつ暴力を振るわれるかと、おびえながら生活しているからである。これほど偏向した報道を、臆面もなく展開する朝日新聞は、完璧に中国人の手先であることが、端的にわかる具体例と言える。(おわり)
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『議論百出』から他のe-論壇『百花斉放』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム