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2012-01-15 01:30

(連載)波乱含みの今年の日本と米中露の関係!(2)

飯島 一孝  ジャーナリスト
 とはいえ、中国は昨年、GNP世界第2位に躍り出て、大国主義的なナショナリズムが高揚しているので、日本周辺で何が起きるかわかりません。とくに尖閣諸島や南沙諸島周辺で領土をめぐる紛争が起きる恐れは十分にあります。日本は2010年のようなトラブルを起こさないよう、早めの対応が必要です。この面では米国とだけではなく、ベトナムなど東南アジア諸国との連携が欠かせません。

 さて、ロシアですが、4年に1度の大統領選が3月に行われ、プーチン首相が再び大統領に復帰する見通しです。だが、過去2回の選挙と違って1回目の投票で当選が決まらず、決選投票に持ち込まれる可能性が強まっています。昨年暮れの下院選不正抗議デモで示されたように、国民の「プーチン離れ」が予想以上に高まっていて、支持率は50%を切りそうな状態になっているからです。いまのところ、有力な対抗馬は現れていませんが、決選投票になると2、3位連合どころか、反プーチン派が大同団結し、思わぬ結果にならないとも限りません。

 プーチン体制が脆弱になってくると、国内の引き締めのため、対外政策ではますます強硬な政策が打ち出される可能性が高まります。そうなると米国との関係が悪化するだけでなく、日本との関係でも懸案の北方領土問題の解決がますます遠のきそうです。ロシアを内向きにさせないためにも、日本側の対応が重要になってきます。日本政府はロシア側を孤立させるのではなく、仲間に引き込む知恵が欲しいところです。一番心配なのは北朝鮮の動向です。金正日総書記の後継者・金正恩氏の指導力や指導体制がまだはっきりせず、権力闘争の可能性も指摘されています。これまでのような武力を使った「瀬戸際外交」が今後も引き継がれる恐れがあるうちは安心できません。我々は諸外国と連携をとりながら、北朝鮮の動向を注視していかなければなりません。

 ところで、肝心な日本の政治ですが、発足以来順調に進むかにみえた野田政権ですが、ここにきて内政問題で八方塞がりの状態に陥りつつあります。とくに消費税などの増税に断固として取り組む姿勢をみせたことで党内外から反発が出ていますが、これは日本として避けて通れない問題です。ぶれることなく国民にきちんと説明すれば、解決できない問題ではないと思います。それと同時に、外交でもしっかりした政策を打ち出し、諸外国の首脳と渡り合って欲しいものです。そうすれば自ずと解決案が浮かび上がってくると思います。野田首相はいつまでもドジョウにとどまっていては困ります。今年こそ龍に変身して頑張って欲しいものです。(おわり)
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