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2006-06-27 10:12

「光」と「水」に重点をおいたCLMV諸国へのODAを強化すべし

甲斐紀武  グローバル・フォーラム世話人
 6月17日付けの投稿で小笠原高雪教授は「CLMV諸国の足腰強化」を訴えておられる。私はこのご意見に賛成であり、それに沿って今後具体的に日本としていかなる面の協力を行うべきかを考えてみたい。

 ASEAN10か国の中でブルネイを除けば、経済発展段階ではインドネシア、マレイシア、シンガポール、フイリピン、タイの先進グループ5か国と、CLMV4か国に分けることが出来る。ASEANと言っても半分は経済的に後進地域であり、自由貿易協定、経済連携協定と言ってもその実現や実施は容易ではない。従って、ASEANの経済的一体化、ひいては将来の東アジア共同体を目指す上で後進4か国の経済水準の引き上げは急務である。これら4か国に対してはやるべきことは多いが、ODAを供与する場合は優先順位と方式を明確に定めることが必要である。

日本は第二次大戦後の賠償支払いを経てODAを本格的に実施し始めたが、当時まだ経済的に低水準にあったインドネシアに対しては、「光と水」に最重点をおいて援助を行った。「光」とは水力発電を振興し、産業基盤を充実し、併せて生活水準の向上と、人口抑制を達成することである。また、「水」は灌漑用水施設を建設し、稲作の生産向上を狙うと共に、上水道を整備し衛生環境を改善し、同時に生活水準の向上図ることも目的としている。そしてこの「光と水」政策はインドネシアでは成功を収めたとして評価されている。

 同じ考えは経済発展段階が当時のインドネシアと類似しているCLMV諸国、特にカンボディア、ラオス、ミャンマーにも応用されると思う。特に域内を流れるメコン川は「光」と「水」の両面からこの地域の開発の中心となる舞台である。かかる点に着目してODAをいかに有効に活用して行くかが早急に検討される必要がある。一例としてODAでもCLMV諸国には円借款ではなく無償援助に重点を置き、揚水発電等のきめ細かな技術を導入して農村電化を促進することも考慮すべきである。
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