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2010-04-27 08:46

オバマ大統領の金融改革の歴史的背景

島 M. ゆうこ  エッセイスト
 ウォール・ストリートの大手金融機関ゴールドマン・サックスは、2年前住宅市場崩壊の原因となったリスクの高いサブプライム・ローン問題で、金融の安全性に関し証券取引法違反(詐欺罪)であるとして起訴された。これに関連し、最近オバマ大統領は、金融業界の透明性を強化する為、金融改革政策の展望について公表した。正しい方向への一歩を踏み出したとしてこれを肯定的に評価する声と、具体性に欠ける改革案だとして批判する声が挙がっている。

 1930年代の世界経済恐慌の第一の原因は、株式市場が崩壊した1929年の暗黒の火曜日から数ヵ月後に、全ての株主が多額の損失をうけ、金融機能不全に陥ったことである。1930年代は1万に近い銀行が倒産し、預金者は預金していたお金をほとんど失ったという歴史がある。1933年、フランクリン・ルーズベルト大統領はこのような金融システムの崩壊に対処するため、金融業界の透明性を強化する金融改革法案を打ち出し、グラス・スティーガル法を制定した。銀行の無責任な投機又はスペキュレーションの取り締まりを強化したこの法は、政府に多大な権限を与えた。また、連邦預金保険公社(FDIC)を設立することにより、商業銀行と投資銀行を分離し、銀行が倒産しても預金者が預けたお金の回収を可能することを目指した。数年後、議会は主な金融規定法を通過させた。

 複雑なアメリカの金融システムとその歴史を簡略的に考察すると、オバマ大統領の金融改革には、このような歴史的ルーツをみることができる。ルーズベルトの連邦金融法は、歴史的には一部が改正されたり、廃止になったりしている。近年では1980年代から2008年までは、グラス・スティーガル法は廃止されていたが、オバマ政権はこの法律の根本精神を再度呼び起こそうとしている点が注目される。

 オバマ大統領の金融改革のポイントを整理すると、経済不況から脱却するためには納税者と銀行の双方を保護する一連の改革が必要になるということである。その為には、消費者を保護するための新たな連邦準備機関を設置し、大規模な金融企業が倒産した場合、市場に不慮の損失を与えないよう、このような金融機関を清算する権言を政府に与えるという趣旨である。そのためには金融商品の改革、会社運営兼投資家の権限増大及び透明性のある金融市場を目指すということが要点になっているようだ。自由市場の重要性を強調しながらも、リスクを意に介さない金融業界の無謀性には規制を加える必要があることをほのめかしている。大半のアメリカ国民はこのような金融規制には同意する、という印象も受けている。
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