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2010-04-14 10:09

(連載)アメリカにおける第三党結成の歴史(2)

島 M. ゆうこ   エッセイスト
 2001年にはアメリカ合衆国グリーンパーティ(GPUS)の名称に変更している。通常、グリーンパーティと呼ばれ、ラルフ ネーダーがこの第三党から1996年及び2000年に大統領選の候補として参加したことで知られるようになった。その後、引き続き数回大統領選に候補しているが、成功するほど影響力のある人物ではない。しかし、2000年の大統領選挙では、草の根民主化運動を推進したラルフ・ネーダの第三党が、特に問題のあったフロリダ州で民主党の票を割り、共和党候補のジョージ・W・ブッシュに当選のチャンスを与えた為、論議をかもしだしたことはまだ記憶に新しい。

 ティーパーティも、アメリカ政治の歴史にこのようなページを綴ることになるのだろうかとの思いもある。最近、クイニピアック大学が3月24日に発表した世論調査の結果では、「今年11月の中間選挙にティーパーティが候補者を立てた場合、民主党が有利になる」という予測が可能になった。この全国世論調査は、ティーパーティのメンバーも含めて全国の有権者を対象に、30以上のアンケート項目を設け、手当たり次第に電話をかけて実施されたものである。報告によると、有権者の33%がサラ・ペイリンに好意的で、ティーパーティの72%が彼女を支持している。また、「ティーパーティ運動を支持するか、またはしないか」という質問に対し、「支持する」と答えた率は28%、「支持しない」と答えた率は23%、「良く分からない」/「無回答」の率は49%である事が分かった。

 更に、今年11月に行われる中間選挙で「貴方は、共和党を支持しますか、それとも民主党を支持しますか?」という問いに対し、「共和党を支持する」と答えた率は44%、一方「民主党を支持する」と答えた率は39%、「不明」又は「無回答」の比率が16%であった。最も直接的な質問として、「ティーパーティから、候補者が立った場合、共和党、民主党、ティーパーティ党のいずれを支持しますか」との問いに対して、「共和党を支持する」と答えた率は25%、「民主党を支持する」と答えた率は36%、「ティーパーティ党を支持する」と答えた率は15%、「不明」又は「無回答」と答えた比率は22%であった。

 この調査結果に基く予測は興味深い。調査後2週間以上経過した本日、メディアが報じる一般的な見方は、ティーパーティが候補者をたてない限り民主党は敗北するだろう、との見方が強くなってきている。共和党支持者が圧倒的に多いと言われるティーパーティのメンバーが歴史を良く知り、歴史から未来を予測できる賢さがあれば、近い将来、第三党の候補者を立てるほど愚かではないはずだが、その点も疑わしい。(おわり)
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