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2010-02-04 18:50

「金・環・食」と日本の進むべき道

岩國 哲人  前 衆議院議員
 この国の名は「にほん」か「にっぽん」か?嘗て予算委員会で小坂文部大臣に質問したが、両方正しいという答弁だった。世界中で2つの国名を持つ奇妙な国は、日本だけである。次に憲法はあるか?憲法というものは、主権を持った国民が自ら制定するものである。それが世界の常識である。現在の日本には米国から与えられた憲法はあるものの、サンフランシスコ条約で主権を回復したあとも、日本人は自らの憲法を作らなかった。だから「ある」とも、「ない」とも言える。日本国憲法の「国」の字も、天皇による公布の時点では「國」という字であったが、その2年後天皇に奏上せぬままに、誰かが「国」に変更してしまった。文字を重んじる国で、大事な憲法の正式な「法名」の文字を勝手に変えてしまう国は、日本しかないだろう。

 だから、私は「憲法改正」というより、「憲法制定」に賛成する。「昭和憲法」の中身を愛するがゆえに、あの戦中や戦後の悲惨な体験を持つ人たちがお元気な間に、皆さんと一緒に凛とした自前の憲法に書き換えたい。今や世界は、「金融市場の暴走」「環境の悪化」「食料の危機」という「金・環・食」の悩みに覆われている。環境問題については、日本で初めて樹木の医者、即ち「樹医」制度が出雲市で誕生し、政府がそれを推進して、全国に1700人の樹医が誕生した。地球を守るためにこの制度を世界にも広めたいと思っている。

 「一月三舟」(いちげつさんしゅう)という仏教の言葉がある。一つの月も、北に向う舟から見れば北に動き、南に向う舟から見れば南に動き、止まっている舟から見れば止まって見える。何事も一つの視点だけから即断してはならない、との教えである。私はこの「一月三舟」を表題にして、13年間毎週エッセイを書いてきた。その中にも「地球のドクター」として樹医の話を書き、それに福田首相が共鳴されたこともある。ヨーロッパでは森の中に悪魔が住むと教えるが、日本の童話では森に神がいると教える。「山川草木悉く仏性あり」だ。日本は自然との共生の伝統があり、そのうえ動物も可愛がる。それどころではない。日本では動物たちにも働く喜びや働き場所すら与えているのである。こんなにも数多くの動物たちが社会で立派に活躍している国は、日本しかないのではないか。例えばライオンが歯ブラシを作り、キリンがビールを売り、カメの子がタワシを作り、ゾウがお湯をわかし、タイガーがお湯をあたためる。ペリカンが荷物を運び、クロネコがお歳暮を届ける・・・。そのうえ1年間の人間の生活を支配する暦も12の動物が支配する。今年の年賀にはタイガーの写真や絵がどっさり。

 日本が世界の警察にも、軍隊にもならず、「地球のドクター」としてその優れた環境技術と資金力で、かけがえの無い地球の環境を守ることに専念すれば、世界中の国々が日本を評価し、それが日本にとって最高の安全保障になるのではないだろうか。小澤一郎氏は日本も「普通の国になれ」と言っているが、それが軍隊を海外に出すことを意味するなら、私は反対だ。あの原爆の被害を受けた地球上で唯一の国日本、そして自然と共生する日本は「普通の国」を超えて、「普通以上の国」になるべきだ。それを世界に向かって宣言する資格のあるのは日本だけである。日本は地球を守り抜くために、あらゆる努力を尽くすことを、憲法に堂々と謳うべきである。その為に、日本は地球を守る「地球のドクター」の役割を引受け、農業を再生して周辺国への食糧基地ともなるべきである。
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