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2009-12-20 14:22

「沖縄新話」への期待

岩國 哲人  前 衆議院議員
 法政大学、沖縄大学、札幌学院大学、高知工科大学の四大学共催による「『まちづくりスト』育成による地域活性化」シンポジウムが12月5日、沖縄県那覇市で開催された。依頼された私の記念講演は「『沖縄新話』への期待と提案」。元出雲市長として、封建的・保守的と呼ばれた地方都市で市民や議会と共にどのように「出雲神話」から「出雲新話」を生みだすことができたか、実例も披歴しながら、東京にも出雲にもできない、沖縄だからこそできる戦略的まちづくりを提案した。

 21世紀の世界経済成長をリードする東アジアにおいても地理的に重要な位置を占めている沖縄は、日本の中で産油国に最も近く、独特な自然的風土の上に「琉球」という独自の国家を成立させ、日本列島とは異なる歴史をたどってきた。17世紀初頭には、段階的に日本社会に編成され、そして太平洋戦争後はアメリカによる統治を経験し、1972年には住民の選択・要求の結果として日本社会へ再び復帰した。その復帰以降も、在日駐留米軍専用施設面積の75%が集中する等の状況が続いていることが、沖縄の進むべき道を妨げて限定してきた。

 結党以来沖縄政策に取り組んできた民主党は、米軍再編の新たな進展、さらには昨年の沖縄県議選を踏まえて、現在の沖縄および日本を取り巻く状況の変化を考慮して「沖縄ビジョン」を発表している。民主党政権は、沖縄の「自立」型経済を推進する土台作りに取り組むとともに、東シナ海の中心に位置する沖縄が、中国、台湾と国境を接するがゆえに自立型経済構築のためにプラスとなるような諸制度をつくるとともに、様々な負担に対する政府としての応分な支援は当然に必要と考えている。

 私は米国・欧州・日本に10年ずつ3つの文化・生活圏に家族と共に住み、経済社会の現場も経験してきた。また多くの国や特色ある地方を訪れて、国づくりとまちづくりについても考えてきた。そういう経験を踏まえて、沖縄の持つ豊かな自然と風土、歴史と文化の資産を活かした地域づくり、つまり観光・交流、研究・教育、そして日本国の安全保障等で自主自立の新たな道を切り開くことを通じて、沖縄はアジア、そして世界への情報発信や各種貢献を実現しうる日本を代表する力強い魅力あふれる先端モデル地域になりうるし、またそうしなければならない、との私の思いを込めた提案を行った。「平和の環境を守る沖縄」、「地球の環境を守る沖縄」の新しい歴史づくりに、私は大いに期待し、今後も尽力していきたい。
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