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2009-01-27 08:07
百家争鳴状態の「政治発言」を解析する
杉浦正章
政治評論家
政局が緊迫するなかで、各界各方面の「政治発言」が百家争鳴状態化している。そのいくつかを取り上げて解析してみた。
★「抗議のために、自民党の政策で民主党に資金が回る、という一番皮肉なことをやろうと思った」(定額給付金を民主党候補に寄付することを決めた茨城県医師会副会長・小松満の発言)
いやはや、定額給付金をめぐる奇策中の奇策が発案された。共同通信によると、茨城県医師会の有志が、26日会員の開業医ら約1400人に、給付分の寄付を呼び掛ける団体を設立したと発表したのだ。集まった資金は、民主党候補に献金するという。いかに定額給付金問題で地方の反発が強いかを物語るものだろうが、ちょっと寄付の対象が違うのではないか。医師なら生活困窮者の実態を直接肌で感じているはずだ。福祉団体やNPO法人などに寄付するならともかく、少なくとも血税を受け取っている政党政治家に回す運動をするとは、医師会もここまで落ちたか。「大失言」と言われた医師についての麻生のあの言葉が、なるほどとうなずける。「はっきり言って、社会的常識がかなり欠落している人が多い。価値判断が違う」。麻生ちゃんよく言った。
★「くれるものなら早くもらいたい。四の五の言わずに早よこせ」(日テレズームインで読売テレビ解説委員・辛坊治郎の発言)
やっと民放報道関係者で定額給付金に“本音”の発言をするものが現れた。どの局の司会やコメンテーター、キャスターも口を極めて給付金に反対しており、TBS「朝ズバッ」の政治担当コメンテーターにいたっては、口を尖らかして「ボクもらわない」と言い切った。辛抱もこれまでは同様のトーンだったが、23日朝は変わった。「両親や子供を加えると8万円くらいになる。これは大きい」と“家庭の事情”まで明らかにした。軽佻(けいちょう)浮薄なコメンテーターが山ほど入る中で、辛抱はどちらかというとニュースセンスが良く、安心して聞ける方だ。ふざけるのが玉にきずだが、この発言は「給付されればもらう」が90%近い世論調査を反映している。ニュース・コメントは本音で勝負せんと。
★「全然関係ないと思う。(政権批判とは)全く感じない」(山形知事選の敗因について首相・麻生太郎の発言)
ここは余裕がある場合なら「謙虚に受け止める」と言うべきところだろうが、突っ張っている。心理的に追い詰められている証拠だ。麻生は、自民党が分裂選挙であったことを挙げているが、報道機関の出口調査を見ても、自民党支持が低下し、民主党支持が大幅に数字を伸ばしている。麻生にしてみれば、ここまで追い込まれると突っ張らざるを得ないのだろう。民主党がかさにかかって「補正予算案の両院協議会での決着先延ばし」の奇策を展開しているのだから、中央政治に直接的に絡んでいる。
★「いくら遅くても予算が上がれば、もう総選挙ということになる」(民主党代表・小沢一郎の政局発言)
「麻生がぶれる」と小沢は批判するが、小沢の政局発言は毎日ぶれている。昨日まで「通常国会冒頭解散」と述べていたかと思うと、今度は予算成立後だ。一昨年秋から2年間にわたって、解散に関する政局見通しをことごとく外している。ちゃんとした報道機関の政治部長だったら、何回クビになったか分からない。代議士の任期が迫って、春の解散か、任期満了選挙かという時期である。今度は2分の1の確率で当たるだろう。解散オオカミ少年の予想もようやく当たりそうになってきた。
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