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2007-11-27 18:27
天皇の叡慮
岩國哲人
衆議院議員
2005年6月2日の衆院予算委員会で、私は小泉総理に次のように質問した。
岩國「まず最初にお伺いします。天皇陛下は靖国神社に戦後、何回参拝しておられますか」
小泉総理「調べておりませんので、何回参拝されたかは存じておりません」
岩國「調べていないというのは、間違いではありませんか。天皇によって任命された総理大臣の肩書を使う人が、任命されたその天皇陛下がその神社に行っておられるか行っておられないか、当然、気になるはずでしょう。国民統合の象徴としての天皇陛下が靖国神社に行っておられるとすれば、なぜ外国はそのときに問題にしなかったのか。行っておられないとすれば、どういう理由でおいでにならないのか。総理が、亡くなられた方への追悼の意を、そして今後の平和を願ってというのであれば、総理大臣以上に、日本人にとって大切な天皇陛下という国民統合の象徴、その方こそ先頭に参拝されるべきでしょう。そういうことをお考えになったことはないんですか。お答えください」
小泉総理「私は、天皇陛下が何回参拝されたかというのは存じておりませんし、また、そのようなことをあえて、何回参拝されたか調べる必要があるとも、今でも思っておりません」
宮内庁に要求して入手した同年8月8日付の回答によれば、昭和天皇の戦後の靖国御参拝は次の八回である。昭和20年11月20日、昭和27年10月16日、昭和29年10月19日、昭和32年4月23日、昭和34年4月8日、昭和40年10月19日、昭和44年10月20日、昭和50年11月21日。以後、一度も参拝は行われていない。
昭和53年(1978年)に靖国神社がA級戦犯の合祀手続きをとって以来、天皇が一度も参拝されていないという事実を、小泉総理が国会で質問されてもあえて触れようとしなかったのは、いかにも不自然ではないか。その事実を国民の前にも明らかにしたうえで、その天皇から総理として認証を受けた臣・小泉純一郎としての信念を堂々と国民に披瀝(ひれき)してこそ政治家ではないか。
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