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2007-11-22 12:46
「衆参ねじれ国会」と国会改革
伊藤英成
元衆議院議員
先般、ある政策情報誌11月号の「視点」欄に、現下の日本の「ねじれ国会」についての拙文が掲載された。その要旨、言わんとするところは次のようなことである。先の参議院選挙の結果、参議院は野党が過半数を占めた。その結果、衆議院は与党が、参議院は野党が、それぞれ拒否権を持つこととなった。政治は国家・国民のためのものである。いまスピードの時代である。国家の意思決定機関としての国会は、国益を考えて、速やかに適切な意思決定が出来るようにしてもらいたいものである。世界にはいわゆる「ねじれ国会(含・大統領制)」を経験したり、現在そのような状況の国は少なからずある、と。
このように提起し、希望を述べた。ここではその続編を少々述べたい。国権の最高機関である国会が意思決定できない場合は、それは犯罪でさえあろう。現時点はなかなか意思決定していない状況にあるのではないかと思われる。わが国の国会を上述したように「速やかに適切な意思決定のできる国会」にするためには、大別して二つの方法ある。第一は、国会運営等の改善・改革であり、第二は基本的制度上の改革である。具体的には、第一の類に属するものとして、各党の法案審議の仕方の工夫、政党間の政策協議、両院協議会の工夫などによる改善・改革、ルール作りであり、さらには連立などである。
第二の「制度上」の問題であるが、現在の制度では、衆議院と参議院が異なった議決を下したときは予算と条約など(これらは衆議院の決定が優先される)一部を除き、日本の国会は意思決定できない。勿論憲法第59条の3分の2条項はあるが、衆議院で3分の2を占める現在のような状況は一般的にはそんなにありそうにない。これは明らかに制度上の欠陥である。国会を一院制にするか、二院の間で権限に明らかな差を設けるか、である。勿論これは憲法改正に関わることである。国会は国家・国民のために意思決定をしなければならない。上記第二の制度上の改革は必要不可欠であるが、それが直ちにできないことを考えれば、第一の各種工夫等は是非してもらいたい。遠からず選挙により国民の意思を確認するとしても。
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