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2025-06-17 13:59
韓国国債について
真田 幸光
大学教員
韓国では、「日本の超長期国債ショックが為替市場に波及するという懸念も提起されている。投機資本が円買いポジションを見直し、スイス・フランへ移している。日本国債が不安定になったことから、ヘッジファンドのような投機資本の間では円の安定性に疑問を抱く動きが出ている。そして、ライバル国家・日本が、キャリートレードによるテクニカルな円安ではなく、本格的な円安傾向となれば、韓国製品の為替による競争力が失われていく。それは韓国経済にとって、ダメージとなる可能性が高い。」との見方が出ている点を指摘しておきたい。
円安の可能性については、実際に米国のJPモルガンが、「これまで推奨してきたスイス・フラン売り・円買いの持ち高解消を勧める。円にも相当なリスクが存在する為、今こそスイス・フランの安定性を再評価すべきである。」というレポートまで発表し始めている。グローバル投資家が一斉に円を売ってスイス・フランに乗り換えれば、それだけ日本円のリスクが高まるのは目に見えており、その円の資産を持つ韓国などにも悪影響が出ると共に、上述したように、それが本質的な円安に転じれば、韓国の輸出産業にも少なからぬダメージは与えよう。
こうした中、韓国では、「人の振り見て我が振り直せ」ではないが、日本の状況を見ながら、韓国国債についても議論が出始めている。国の借金で副作用、韓国は基軸通貨国・米国、そして日本より遥かに深刻になっていないか?との声すら出てきているのである。 世界最高の安全資産とされてきた米国と日本の国債について、金融市場での入札不調が相次いでいる中、米国のトランプ大統領が大規模な減税法案を強行している。米国議会予算局によると、この法案は今後10年間に連邦政府の財政赤字を2兆5,000億米ドル~3兆米ドル以上増やすと試算されている。米国の国家負債比率は2013年にGDPの100%を超え、昨年は123%に達しているが、それでも日本や米国より、数値は良い。米国と日本は負債の比率は極端に高いが、それでも基軸通貨国の為、少なくともこれまで国際金融市場で大きな影響は出なかったと言えよう。ところが負債比率の高さにも拘わらず国の負債を減らすどころか逆に増やそうとする動きを示した為、国債の入札不調になっているとの見方を市場は示し始めている。更に、基軸通貨国である米国や日本でさえ、国際金融市場で厳しい現実に直面しているのであるとすれば、基軸通貨国でもない韓国が財政の健全性を国の経済を守るよう、国債発行を厳しく管理しなければ、韓国経済はまたまた国家破綻するとの懸念も出始めているのである。
そして、「そうすることは、選択ではなく必須である。韓国の国家負債比率は数値の上では米国や日本よりもかなり低いが、決して健全財政とは言えない。韓国の国家負債比率はGDPの54.5%で、今年始めて非基軸通貨国平均(54.3%)を上回った。とりわけムン・ジェイン政権当時の2020年以降、国の負債は急速に増加し、11の非基軸通貨国で4番目に高くなっている。また、負債が増加する速度は11カ国中2位となった。現在は税収よりも政府の支出がはるかに大きく、年間100兆ウォン前後の財政赤字を記録しているが、それでも選挙の時期になると大統領候補者らは、日本の政治家たちと同様、財源に言及せず金をばらまく公約を乱発している。その副作用は今後、米国や日本よりも遥かに深刻になるだろう。」との声が韓国マスコミ界からは出てきている。韓国国債についてもしっかりと注視をし、韓国経済を分析していきたいと思う。
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