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2023-11-29 18:01
台湾工作の陰に中国共産党ありを証明した野党候補統一失敗
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
来年1月の台湾総統選挙が注目されている。中国共産党の習近平国家主席は、就任早々から台湾の併合を発言し、毎年の正月の年頭所感において台湾併合をいっている。当然に「台湾併合」というのは、二つの方法がある。その二つの方法の説明前に、そもそも中国と台湾の微妙な関係を説明しておかなければならない。そもそも、台湾はもともと清国の領土として認識されていた。実際に清国になる前、つまり明のころには、「化外の地」というように言われた。そのあたりには鄭成功などがあり「倭寇」というような海賊がいたとされている。ここで中国が「倭寇」などという歴史を言っていると言ことは、台湾は「日本」の一つの地域であると考えていたということを示す。少なくとも、明帝国は台湾を支配していなかったことが明らかになる。
清帝国は一応支配していたことになっている。1895年、日本と清国が戦争を行い、その戦争で日本国が勝利する。その条約によって決められたのが、台湾の割譲、遼東半島の割譲、そして朝鮮半島の支配権であった。この時の朝鮮併合をもって、韓国人は現在になっていろいろといっているようであるが、実際にこの時点で大韓帝国の内容に関して言えば、その王室から併合を求めてきているということがあり歴史をしっかりと学ぶことをお勧めしたい。なお、この遼東半島に関しては、日清戦争の講和条約である下関条約の締結後にロシアが中心となって三国干渉を行い、そのままロシアが併合してしまうということになる。そしてその遼東半島が直接の原因になり、10年後に日露戦争が勃発することになるのだ。今回はその遼東半島ではなく、台湾が主題なので日本とロシアのことはまた次の機会にしよう。
台湾に関してはこの時から昭和20年、つまり終戦まで日本が統治していた。日本の統治は非常に台湾の人々にとって良いものであったとされ、台湾の風土病を直し、なおかつ台湾に上下水道を整備し、そして電気を引いた。そのことによって台湾が発展したことは言うまでもない。日本は敗戦とともに台湾の支配権を放棄する。基本的には中国に譲ったことはない。国際法上は、台湾は誰の支配権にも属さないということになる。ちょうどその時に、中国本土では国民党と共産党の戦争にあり、その中で戦争に不利になった国民党が大陸を逃れ、台湾に渡った。そして台湾を実効支配したのである。要するに、台湾と中国(大陸)の戦争に関しては国共内戦があり、その国共内戦の延長線上に誰もの支配にも属していない台湾が、国民党によって支配されたということになる。台湾に渡った国民党は、そのまま台湾の支配を行い、そしてその支配を現在も続けている。その台湾に対して中国共産党は「併合する」ということを言っているのである。さて、その併合に関しては、「戦争(軍事作戦)による併合」と「台湾側からの決議や国民投票による併合」の二つの方法がある。ウクライナのクリミア半島がロシアに対して併合されたのは、まさにこの二つ目の方法で行っている。民主主義というのは困ったもので、国家の意志とは関係なく、その国の民の選択によって様々なことを決めてしまう。つまり宣伝して衆愚に陥った状態で国民投票を行えば、併合ができてしまう。
その衆愚を作るためには、まずはその国の支配をうまくする。つまり為政者を衆愚の中に陥れることが必要になる。そのことの象徴として「自分たちの国の支配下に置くことのできる総統を選出させる」ということになる。今まで共産党のいうことを聞いていて、あと一歩で併合できるところにあった馬英九元総統を使い、共産党に従うように言った。しかし、共産主義というのは「トップ」と「それ以外」では大きな違いが出る。それは習近平と李克強の関係性を見てもよくわかるように、国家主席であれば独裁ができるが首相ではできない。まさにそのことがわかっている野党の人々は、皆候補統一化に従わなかった。つまり、野党の候補者はすべて共産主義化した思想になっているということを意味している。台湾の野党指導者は中国大陸との関係での経済性を重視するが、そもそも共産主義で経済を語ることがナンセンスであることもわかっていない。まさに、この候補者たちが最も衆愚の象徴になっているのである。そのことを台湾の人々に教えなければならないのではないか。日本の多くの人々にそのことをしっかりと認識してもらいたいものである。
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