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2021-12-16 20:11
中国のCOVIDー19感染者、通算10万人に到達
松本 修
国際問題評論家(元防衛省情報本部分析官)
中国の国家衛生健康委員会は12月16日、同15日に中国のCOVID-19感染者が通算10万人に到達したことを公表した。しかし、死亡者は僅か4,636人にすぎず、その最後の発生も本年1月25日である。他方、今週の新華社が喧伝したのが米国の感染状況である。12月13日、米国の感染者は5,000万人台に達し、翌14日には死亡者が80万人を突破したという(米ジョンズホプキンス大学統計引用)。米国の感染状況に比べれば、中国の状況はまだマシということであろうか。
しかし、中国では11月末から内陸部の内蒙古自治区ホロンバイル州、12月に入ってからは沿海地域の浙江省主要都市でCOVID-19のクラスターが発生し、変異株オミクロンも天津市、広東省広州で確認されているのが現状である。こんな状況は当然、中国共産党中央に上がっているはずだが、12月15日、党中央政法委員会が計画・主導していた「平安中国」(セイフティー・チャイナ)建設プロジェクトの表彰大会が行われ、習近平総書記、李克強総理、王コ寧中央書記処書記(筆頭)、韓正副総理ら政治局常務委員4人ら中国要人が同大会出席者と会見したのである。習総書記は「君たちを祝賀する、今後もより高いレベルの平安中国建設に対し、新たな貢献を行うよう希望する」と激励したが、来年2月1日の旧正月直後に開幕する北京冬季五輪まで50日をきった状況下、この楽観的な態度の根拠は何なのか。
西側諸国の「外交的ボイコット」などは問題ではない。要は今後の疾病状況次第では、冬季五輪の主要会場となる首都北京や河北省張家口、その周辺の省・市・自治区のロックダウンの可能性も否定できないのだ。こうした危うい状況下、何の「平安中国」なのか小生は理解に苦しむところであるが、今後の中国要人の動静が注目される。
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