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2021-05-02 15:38
中国、疾病対策で国家機構新設
松本 修
国際問題評論家(元防衛省情報本部分析官)
最近の中国の応急管理部の動向を調べる中、疾病対策で中国が新たな国家機構を設立した報道を発見した。中国政府ネットによると4月28日、国家疾病予防管理局が新設され局長に王賀勝、副局長に常継楽、沈洪兵、孫陽が任命されたという。医療行政の専門家とされる王局長(ただし医者ではない)は昨年2月、国家衛生健康委員会副主任のまま湖北省衛生健康委員会主任(同党組書記)に就任し、現地の防疫対策に従事した。7月には後任の省衛生健康委員会主任が任命されたが、依然として省防疫指揮部副指揮長(指揮長は湖北省党委員会書記、湖北省長)として現地指導を継続している。今回、国家機構のトップに任命されたことで、湖北省の役職とともに国家衛生健康委員会副主任のポストから外れるのであろうか。
また今回、副局長に任命された常継楽(臨床医)は、国家衛生健康委員会内の疾病予防管理局長、孫陽(内科医)も同応急弁公室主任であり、新設された国家疾病予防管理局が、これら組織を基盤に創設された可能性が高い。王局長と2人の副局長が国家衛生健康委員会系統からの人事異動とすると、その系統外から副局長に任命されたのが沈洪兵である。沈副局長は感染病の専門家であり、地方の南京医科大学校長からの抜擢である。ただし、中国の機構改革における「三定方案」(機構の主要職責、内部組織、人員編制の三大問題を確定する計画案)が未だに明らかでなく、特にいかなる組織が新たに作られるのか、あるいは隷下にいかなる組織(例えば中国版「CDC」疾病予防センター等)が設置されるのか注目される。
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