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2007-04-23 23:25
フランス大統領選と日本
西川恵
ジャーナリスト
フランス大統領選挙は第1回投票で過半数獲得者がおらず、保守派のサルコジ候補と社会党のロワイヤル候補の上位2人が5月6日の決選投票に進んだ。どちらが当選するにせよ、今選挙は日仏関係にとっても大きな節目となる。
シラク大統領の12年間、日仏関係は政治、経済、文化面で大きく好転した。経済的にはルノー・日産の提携が象徴的だが、多くの分野で相互投資が進んだ。政治的には、フランスは日本の国連安保理常任理事国入りを西側で最も強く支持し、国際会議の場でも機会があると日本を側面支援した。そこにはシラクという親日家の大統領の存在があった。同大統領当選直後の95年、訪仏した河野洋平外相は大統領を表敬訪問し、日本文化に深く通じている大統領に感銘し、帰国後、村山首相に「これだけの知日家がフランスにいてくれるなら、日本の欧州外交は新しい展開ができる」と報告している。実際、その通りになった。
サルコジ、ロワイヤル両氏とも、これまで日本との関係性は薄く、むしろ中国に目が向いている。「経済大国だが、政治的存在感は小さい」と、かつてのフランスの対日観から大きく出てない可能性がある。日本はさまざまな機会とチャンネルを利用して、新大統領に日本の実像と立場を説明し、日本との緊密な提携がフランスの対アジア外交、国際関係においてもプラスになることを説く必要がある。
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