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2017-12-11 13:25
ドイツ情勢と欧州、世界情勢について
真田 幸光
大学教員
本年5月にフランスでマクロン政権が樹立、その後、そのフランスの新大統領であるマクロン氏に対して、欧州のみならず、先進国の中でも古参の国家リーダーとなっているドイツのメルケル首相がアプローチ、そして、「仏独両国を軸に、欧州連合=EUを守ろう!」との姿勢が示され、国際社会では、こうした状況について、「メルクロン体制確立」との見方を示したことから、世界では、「EU発の世界経済低迷」のリスクは一旦遠のいたとの見方が出ていました。
しかし、Brexitのリスクがまだまだある上、「スペイン・カタルニアでの独立の動き」が顕在化し、再び、「欧州に対する不信感」が芽生える中、「9月の総選挙を終えたドイツのメルケル政権にも不安定性が見られるようになってきた」との印象を私は持っています。実際にドイツ国内では、「メルケル首相率いるドイツは、欧州にとって、ロシア・難民・ユーロなど多くの重要課題への対応に、“なくてはならぬ国”となっているのであるが、もしメルケル時代が早晩、終わりを迎えるのであれば、欧州は新たな危険な状況に直面することになる」との見方も出ているのであります。
そして、実際にメルケル政権の威信低下の可能性は高いとの見方も出始めました。更に、例えば、ドイツ国内では、「ドイツが欧州を政治的に引っ張っているのは、ドイツ経済が今、絶好調なことが背景にある。但し、ドイツ経済がいいのは、何もメルケルの功績でも何でもなく、ドイツ産業界が、第4次産業革命などで生産の効率化を図るとともに“技術開発”、また、ドイツ人の勤勉さ、その上、2000年初めの、社会民主党のシュレーダー首相の“労働市場改革”の効果もあって、ドイツでは労働関係によるスト・デモはほぼ発生していない状況にある」と言った声もメルケル首相、メルケル政権に対して向けられています。
こうした中にあって、今回の選挙後のメルケルCDUとSPD(社会民主党)を合わせた議席数は399議席となっていることから、過半数を優に超えており、CDUとSPDの大連立政権は十分に可能との見方もできるのですが、ここに来て、SPD側の一部からは、「CDUとの大連立はもう行わない」との声も出ている模様で、とても懸念されます。そして、万一、メルケル政権の威信低下が顕在化すると欧州情勢が悪化、その影響を受け欧州株が下落、更に先進国株の一つである日本株も、そして悪影響が予想以上に広がれば米国の株価も下落する可能性があり、私は注視しています。
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