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2017-04-04 11:54
世界経済見通しについて
真田 幸光
大学教員
私は、いつも申し上げているように、欧州の崩壊リスク、トランプ政権リスク、英米関係の悪化と中国本土の台頭、ロシアの動きによる世界の秩序変更の可能性、そしてイスラム過激派の動き、などを背景とした世界経済の下振れリスクもあると危機意識を持って眺めています。
しかし一方で、欧州は結構大丈夫ではないか、トランプ政権は結構やるではないか、英米関係も安定化する中、米中関係も大人の関係を維持、ロシアも世界情勢を静観するのではないか、そしてイスラム過激派の動きも比較的安定しているのではないか、といった現行の情勢に対する肯定的な見方が強まると、世界経済はむしろ一気に改善していく可能性もあると考えています。
実際に、日系証券界の中には日経平均株価が今後4万円をつけるのではないかといった見方を示す向きも出てきています。また、こうした中、世界のオピニオンリーダーの一つである英国のエコノミスト誌も世界経済に対して楽観的な見方を示し始めました。即ち、エコノミストの記事を引用、筆者なりに要約してみますと、「2008年の世界的な金融危機以降、低迷を続けてきた世界経済がほぼ10年ぶりに回復局面に差し掛かっているとの分析が聞かれる。米中という二大国と先進国、新興国の経済指標が一斉に改善の兆しを見せている。世界の景気は製造業で回復基調が目立つ。世界経済の驚くべき成長を示し始めているのである。米国の2月の就業者数が市場予想を上回る伸びを示す一方、失業保険の請求者は過去43年で最低となった。ユーロ圏の1月の新規雇用創出は9年ぶりの高水準となり、日本は今年の経済成長見通しを上方修正した。年初来の輸出が11%増加した中国本土をはじめ、インド、ロシア、ブラジル、東南アジアなどの新興国経済も不振から脱出しつつある」とコメントしているのであります。
私としては、こうした見方に大いに期待したいと考えています。しかし、ここはやはり冷静に「世界経済には明るい兆しの中、上振れ期待も高まりつつある。しかし一方で、世界経済には下振れリスクもまだ存在している。今後も良く分からぬ予測しにくい状態が続く。こうした中、企業経営者は、世界経済には影響されにくい、真の経営基盤の安定を求める経営姿勢が必要とされている」と理解し、頑張らなければならない状態にあると考えています。
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