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2016-10-04 14:08
日本が「永世中立国」的な立ち位置を確保するには
真田 幸光
大学教員
私は、「日本は国際社会との協調が必要な国である」ということを強く感じている者の一人であります。しかし、その一方で国際社会との軋轢が多い。そして、大きいのであれば、国際社会とは一線を画し、「永世中立国」的な立場で国際社会での立ち位置を日本が極められるのであれば、「それもまた良し」とも考えております。
しかし、現実の日本の状況を考えると、「国民皆が生き抜いていく為に最低限必要なもの」であるところの「水」「食糧」「エネルギー」「原材料」のうち、「水以外」は基本的には海外に依存せざるを得ぬ状況にあり、よほど上手に動かないと日本が「永世中立国」的な立ち位置を確保することは容易ではないと考えています。また、こうしたことを具現化する為には「国防の為の軍事力」の維持は不可欠であり、この点に関しては「国民的な議論」の必要性があるとも考えています。
このようなことから考えますと、理屈から言えば「永世中立国」的な立場を日本が確保することは可能かもしれませんが、「決して容易ではない」とはっきりと認識しています。しかし、それでも敢えて「日本は国際社会の中で永世中立国的な立場を極めるように努力してみてはどうか?」と私は考えています。そして、例えば食糧の世界では、品種改良に伴う大量生産技術の革新、養殖技術の拡大による生産拡大の可能性が高まり、また、冷凍、冷蔵並びに解凍技術の革新に伴う保存可能性の拡大も具現化しつつあります。また、メタンハイドレートの実用に向けた本格的な動きを拡大すれば、或いは火山列島、海洋国家・日本の特徴を生かした地熱発電、潮流発電を合わせ技としたエネルギー改革を進めて行けば、化石エネルギーの輸入に頼らぬ国家の樹立は近づいてくるかもしれません。更に、木材を基とするCNF(セルロースナノファイバー)、ナノ樹脂の商用化や石灰を利用した新素材の開発は、「原材料の輸入削減に大いに効果を上げるものと期待される」とも考えており、期待感を持って見ています。
従って、日本政府がこうした改革を意識した「国家運営の革命」を起こしていけば、「永世中立国」的な立ち位置を樹立していくことが徐々に可能となるかもしれません。そして、「日本の舵取りをそのような形で進めていくことも一つの手段ではないか」と私は考えています。
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