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2015-07-30 07:01
国連に分担金削減で「性奴隷」発言撤回を迫れ
杉浦 正章
政治評論家
あの忌まわしい「性奴隷」の文字が最近また新聞紙面にはびこり始めた。まず朝鮮半島での従軍慰安婦の別称として世界のマスコミに定着し、米地方自治体などへの韓国の宣伝が利いてきている。一方ISIL(イスラム国)は最近本当の「性奴隷狩り」に専念している。問題は、テロリスト集団の暴挙と、ありもしない日本軍へのねつ造事件が混同されかねないことだ。昨年の朝日の大誤報訂正と社長辞任で、日本国内では「性奴隷」問題はけりがついたと思っているが、世界ではそれどころではない。「性奴隷」は依然大手を振って米国内や国連でまかり通っている。自民党が慰安婦問題の誤解を解消し、日本の名誉を回復するための提言を、首相・安倍晋三に提出したのは当然である。しかし、この問題の急所は国連対策だ。分担金削減を武器にして、政府は腹を据えて国家の名誉回復に取り組むべきだ。昔柔道の師範から「日本柔道は相手が負傷などで痛がるところを攻めないのがフェアプレー」と教わったが、朝鮮民族というのは、国際政治では真逆の行動を取る民族らしい。相手の嫌がるところ、痛がるところに狙いを付けて、一本を取りにくる。女性大統領ですら、ねちねちと「加害者と被害者という歴史的な立場は千年の歴史が流れても変わらない」とその先頭に立つ。その狙いは依然として従軍慰安婦問題だ。
おそらくソウルからの“奨励”もあるのだろう。在米韓国人らはサンフランシスコ市議会に働きかけて慰安婦の碑や像の設置を支持する決議案を出させようとしている。日本をおとしめることだけが生きがいのような陰湿さだ。安倍は70年談話で「お詫び」などする必要はますます無くなってきた。筆者は慰安婦強制連行問題で、朝日の大誤報が判明した昨年の時点で、これを好機ととらえて、国を挙げて「性奴隷」での一大対外キャンペーンをするよう提言したが、うまくワークしなかったようだ。そもそも慰安婦強制連行問題は、1992年の宮沢喜一訪韓の5日前に朝日が、1面トップで「慰安所の経営に当たり軍が関与、大発見資料」として大々的に報道、同日の社説でも「朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行した。その数は8万とも20万ともいわれる」などと途方もない大誤報をしたことから始まる。韓国世論が激昂し、宮沢の訪韓は「お詫び行脚」となり、勤労動員であった「挺身隊」の呼称が「慰安婦」として定着してしまったのだ。
加えて1993年に官房長官・河野洋平が悪名高き発言をする。河野談話発表に当たり、記者団から強制連行の有無を聞かれ「事実があった」と明確に答えてしまったのだ。自民党の提言は、この河野発言を「重大な問題」と指摘すると共に、朝日の大誤報を「32年間も十分な検証もせずに記事をねつ造し続けた朝日新聞の責任は取り返しがつかないほど大きい」と断じているが、本当に河野と朝日は「取り返しがつかない」ことをしてくれた。しかし、河野は昨29日の名古屋市の講演で、この提言について「(首相は)なぜ申し訳ないと謝れないのか」と依然悔悟の情などみじんもない発言を繰り返している。こうして河野と朝日の事実誤認は一人歩きし、日本弁護士連合会(日弁連)に到っては、軽率にも1992年国連へのロビー活動で、慰安婦を「性的奴隷(Sex Slaves またはSexual Slavery)」 として扱い、国連から日本政府に補償をおこなうように働きかけるよう動いた。こうした動きに軽々に乗ってしまったのが、スリランカ民主社会主義共和国出身の国連事務次長ラディカ・クマラスワミだ。1996年の「女性への暴力に関する特別報告書」の中で公式にはおそらく初めて慰安婦を「性奴隷」と呼んだのだ。「日本軍性奴隷制の被害者個々人(元慰安婦)に対し、原状回復と賠償を行へ」と要求したのだ。河野、朝日、日弁連の国家をおとしめた責任は極めて大きい。
そこで、どうするかだが、まず国連対策だ。国連に重要加盟国に対してその尊厳を傷つける理不尽な報告を出したことに陳謝と撤回を求めるのだ。国連官僚のクマラスワミなど雑魚に説得工作をしても、拒否されるだけだ。うじゃうじゃ大使や公使がいる日本の国連代表部は責任者を決めて事務総長など国連首脳部に直接働きかけ、「性奴隷」の表現撤回のロビー活動を起こすのだ。潘基文(パン・ギムン)は韓国出身で陰に陽に韓国に肩を持つ不公平な国連運営をしているが、この際ねじ込む必要がある。クマラスワミ報告の修正を迫るのだ。修正しなければ「常任理事国でもないのに負わされている世界第2位の国連分担金支払いを大幅削減する」と脅かすのが一番効果的だろう。そもそも分担金比率はGDP2位の中国が2位となるべきだ。日本が2億7,650万ドルなのに対して、中国は6位で日本の半分の1億3,140万ドルなのはおかしい。かつて宮沢だったか確か意図的に支払いを遅滞させて、事務総長を真っ青にさせたことがあるはずだ。また小泉内閣当時は常任理事国入りを断念せざるを得なくなり、分担金を削減すべきとの世論が高まった。国連に「性奴隷」の表現撤回を求めることは当然である。加えてリベラルのニューヨークタイムズなどに有無を言わせぬ一面意見広告を掲載するのだ。この問題は裏の根回しなどでは決着しない。腹を据えて正面切った撤回に取りかかるべきだ。ただし自民党提言が前文で述べているように、「女性の人権と尊厳を著しく傷つけた点に議論の余地はない」という、“いい子”になる姿勢も戦術として重要であり、その上に立って汚名をそそぐのだ。
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