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2007-01-15 19:57
安倍首相の欧州歴訪について
伊藤 英成
元衆議院議員
新年早々、安倍首相は英国、ドイツ、ベルギーおよびフランスの欧州4カ国を歴訪した。NATO訪問や欧州委員長との会談もあった。成果についてはいろいろ議論もあるが、私は次の点で評価したいし、今後の日本の対外関係に期待したい。
米国に先駆けて欧州を訪問し、欧州首脳との会談も含め、欧州重視の姿勢をしめしたことである。日本にとっては、米国、アジア、欧州、そして国連に常に重点を置いて外交を展開し、日本や世界を考える必要がある。ここ数年、日米関係が、その重要性はもちろんであるが、やや偏重した感でみられてきた。それが是正され、日本の外交の幅が広がり、より充実・強化されるとすれば、それは非常に好ましい。
日本にとっては、政治問題にしても経済問題にしても、米国と欧州そしてアジアそれぞれとの関係を密接かつ友好にしておくことが極めて重要であることは、いうまでもない。世界の環境問題、貧困問題、平和問題、食の安全等あるいは経済問題の解決のために、また解決のためのルール作りについてEUの影響力は非常に大きい。ある意味では米国以上に大きい、と私は思っている。
昨年10月首相は、中国、韓国を訪問し両国との関係も一時の状況に比し大きく改善された。今後、日・中・韓の関係はかなり話し合いのできる関係になり、アジアにとっても良い環境になっていくだろうし、またそれが期待される。問題はこれから、という部分はあるとしても。
米国と協力して取り組むもの、EUと協力して米国に対するもの、米国やEUと協力して取り組むもの、それぞれいろいろあるだろう。環境や貧困など上に触れたテーマに加え、国連のあり方、自由、民主主義、人権、知的所有権、エネルギー、紛争、武器取引、等々・・・。
余談ながら、最近、日本社会のあり方について、いわゆる成果主義の反省などアメリカ的なものへの見直しも一部でいわれる。欧州のライフスタイルや諸制度はやはり今日もなお日本にとって大いに参考になる、と私はいつも思っている。
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