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2011-11-01 10:07
政治家は国民に対する義務を果たせ
湯下 博之
元駐フィリピン大使
臨時国会が開かれ、野田首相の所信表明演説が行われた。その中で首相は「今、私たち政治家の覚悟と器量が問われています」と述べたが、正にそのとおりである。東日本大震災を通じて、多数の日本国民の優れた特性が示された反面、政治の貧困が今さらのように浮き彫りになっている。
野田首相が掲げた政策は、臨時国会で取り組むべき当面の課題に関する今回の所信表明演説で示されたものも、また、9月の臨時国会での就任後初の所信表明演説で示されたより長期の政策も、基本的には妥当な内容であり、政治家全員が真剣に検討し、具体化をめぐっての議論をこそ行うべきである。最近の政治は、政策よりも政局に重点が置かれ易く、メディアもそれを助長する面があったが、今の日本がそのようなことを許せる状況にないことは明らかである。
野田首相は党内基盤も必ずしも強くなく、また、ねじれ国会で野党との関係でも強力な指導者とは言えないが、そうかと言って、野田氏に代わって日本を再建できる人材がいるわけではない。迅速な対応を必要とする数々の大問題に日本が直面しているのに、政局にばかり目をやって、政策の実現を遅らせたり短命内閣を繰り返したりすることは、政治家の国民に対する義務違反である。
メディアも、公器として、政治が日本の再建のために機能することとなるよう心掛けるべきである。政府のお手並み拝見といった姿勢ではなく、政府が民意に応える成果を出すこととなるような意見や情報の発掘に努めて、日本が国を挙げて復興と発展に取り組むことに応分の尽力をして欲しい。
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