しかし、菅側近は自分が落選するのも知らずに、いまだに「脱原発解散だ~~!」と言って、駆け回っている。河野太郎の7月9日の発言によると、「菅さん側近は『脱解散で選挙やれ、とみんなで進言している。9月11日が投票日だ』と豪語している」という。地元でポスターを貼り、「8月解散、9月衆院選投開票」の日程を流布している側近もいる。しかし、「側近」のリークも、筆者が取り上げた6月20日頃は「さすがにいいことを考えた」と思ったものだが、現時点では“オオカミ少年”の悪あがきとしか思えない。なぜなら「脱原発」という絶好のテーマを早々と打ち出した結果、野党が警戒して「脱原発反対」「原発推進」などと言わなくなってしまったからだ。10日の NHK の討論番組では、全野党が表現の多様性はあるが「脱原発・入自然エネルギー」だった。側近は、利口なようで甘いのだ。世論は脱原発派と原発推進派の2つに割れることなどあり得なくなった。