２００６年は日豪交流年です。各地でいろいろの行事が実施されていますが、私はその関連でグローバル・フォーラムが４年前に実施した日豪対話「日本とオーストラリア：アジア太平洋地域における協力の展望」に関心をもち、この度その「報告書」を読んでみました。「日豪関係ということで考えますと、最大の問題点は問題がないということだと思うんです」という発言をしたパネリストがいたようですが、確かに日本とオーストラリアの関係は、両国がともに人権や民主主義という共通の価値観をもつだけでなく、経済・貿易関係の発展も顕著であり、さらには観光や留学などを通じて両国民間の交流も盛んです。一言で言って、極めて良好な関係にあると言ってよいでしょう。

　しかしながら、さらによりよき日豪関係を築くために、私は少なくとも二つの提案をしたいと思います。まず第一の提案は、若者同士の交流の促進です。４月２７日に私は、この掲示板「議論百出」に投稿して、日韓関係について「若い世代の交流促進を」と呼びかけました。なぜなら若い世代の交流こそは、未来の関係を築く礎石だからです。日豪関係強化のためのいろいろな試みがありますが、それらも若い世代の交流に支えられて初めて着実な根を下ろすと言うべきです。さて、もう一つこの機会に提案したいのは、東アジア共同体推進に向けてより強力な日豪パートナーシップを構築することです。昨年末の東アジア・サミットではASEAN＋３に加えてインド、ニュージーランドの他にオーストラリアも参加しました。これは「東アジア共同体推進に向けた日豪パートナーシップ」の出発点になる大切な出来事だと思います。日豪提携による東アジア・サミットのフォローアップを望みます。