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2010-12-14 07:37
小沢に「足元」を見られた幹事長・岡田克也
杉浦 正章
政治評論家
これでは「やるやる詐欺」ではないか。民主党幹事長・岡田克也もすごみがあるのは顔だけか。小沢一郎国会招致で岡田が意気込みを見せていた12月13日の役員会は、結局小沢べったりの参院議員会長・輿石東のペースで「先送りの腰砕け」(公明党国対委員長・漆原良夫)に終わった。一任されたかどうかあいまいのまま、岡田は近く小沢一郎と会って、政倫審出席を求めるが、小沢が応じる可能性は少ない。見通し不透明なまま内閣支持率が10%台の崖をのぞく事態となった。
ポイントは12日夜の小沢・輿石・鳩山由紀夫会談だ。ここで小沢陣営は情報を交換して、「岡田は国民向けのポーズで甘い」と判断したようだ。鳩山が講演で「岡田氏は、輿石参院議員会長に対し『国民に対する言い訳になる』と言ったそうだが、ご自身の言い訳に使うのか」と述べ、三者会談の内容を垣間見せている。自民党が指摘しているように、岡田の姿勢は「アリバイ作り」そのものであったわけだ。こう足元を見られては、天王山と位置づけた役員会も、岡田ペースでは運ばない。役員会では小沢招致組と小沢支持組との間で軽いジャブの応酬があっただけで、結局輿石がまとめ役を演じて「幹事長一任にしてはどうか」と提案、簡単におさまってしまった。
一任の内容はあいまいで“超玉虫色決着”だが、岡田は小沢招致で一任されたと解釈、小沢と会談して政倫審出席を求める構えだ。しかし小沢サイドは、とても一筋縄ではいくまい。既に半月も前から小沢はこの事態を予感して、支持グループと会合を重ね、手を打ってきている。岡田のぼけっとした動きと比べて、3倍はすばしっこい。その効果あってのことだろう。前総務相・原口一博ら小沢に近い議員約40人が、小沢の政倫審への出席要求に反対することを決議したり、両院議員総会開催に向けた署名を始めたのだ。こういう空気を醸成したのは、国会招致にはテコでも応じないという姿勢の現れに他ならない。岡田は、振り上げた拳は下ろさなければならぬが、議決を目指す政倫審にも、小沢の息がかかっている。側近の川内博史が政倫審幹事であり、議決には応じないと公言している。たとえ野党の協力を得て議決出来たにしても、小沢は無視するのではないか。強制力が伴わないのだ。だいいち岡田自身が、応じない場合の離党勧告について、「考えていない」と述べているが、これでは「オレはお前をノックダウンしない」と宣言して、ボクシングをするようなものだ。
足元を見て、小沢支持グループも言いたい放題だ。その最たるものが原口の発言。「政権交代を勝ち取ったトップの首を差し出して、何をしようと言うのか」と、かしこくも仰せられた。その「トップの首」がつながっていては、もう一度政権交代になることを知らない。今朝の産経新聞のトップ見出し「制御不能の『一兵卒』」がすべてを言い表している。折から朝日の世論調査では、内閣支持率が21%に落ち込んだ。内政・外交にわたる失政の連続に加えて、問責決議に居座る官房長官・仙谷由人ら政権幹部。我が物顔に横行する小沢支持グループの動き。これで内紛の結果、来年度予算編成が越年でもしたら、悪材料がすべてそろって、末期症状も極まることになる。支持率10%をのぞく崖っぷちの松の根に、片手でぶら下がっているのが、自ら名付けた「仮免首相」・菅直人の姿だ。
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