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2010-11-27 19:32
「ユーラシア大陸西部開発構想」の背後にある中国の世界戦略
吉田 重信
中国研究家
目下、中国の温家宝首相は、カザフスタンを訪問している。狙いは、1996年以来中国が主導している「ユーラシア大陸西部開発構想」を引き続き推進するためだ。「ユーラシア大陸西部開発構想」の詳細については、ブログ「田畑書店我的文字」を参照ありたい。
構想が実現すれば、重慶から、ウルムチ、アスタナ、モスクワ、ワルシャワ経由で、ロッテルダムまでを鉄路と道路で結び、大西洋に出る物流ルートが開設されることになる。
この構想を実現するためにはロシアや旧ソ連諸国との協力が不可欠となる中国は、最近「中ソ同盟」復活の動きを軸として、様々な布石を打っている様子がうかがわれる。
中国としては、一方で、目下圧倒的に強力な米海軍によって出口を封鎖されている太平洋方面への進出をはかるとともに、他方で、中国の背後地であるユーラシア大陸を経由して行く行くは大西洋方面へも進出する、という「多角的な世界戦略」を描いていることが分かる。われわれは、アジア太平洋方面だけではなく、ユーラシア=大西洋方面をも志向する中国の世界戦略に注目すべきである。
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