お役所からの天下り、その受け皿としての外郭団体は多く公益法人の形態をとるが、基金というのも稀ではない。さらにいえば、一定の行政機能をくくりだして、それを専業にする組織を作ること自体は、あながち否定されるべきでないこともある。問題なのは、そうした組織が歴史的使命を終えた後でも、さまざまな理屈を付けて、場合によっては組織のミッションを変更してまで、残存したがることだ。これは官僚制の持つ位置エネルギーの裏腹だから、一片のお説教や精神規定でなんとかなるものではない。制度的に米国流の組織廃止条項(sunset clause)を必ず設けるとか、一組織新設には一組織廃止を義務づける(scrap and build)といった知恵がぜひとも必要だ。