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2009-04-10 00:00
(連載)世界金融危機にどう対応するか(2)
大河原 良雄
グローバル・フォーラム代表世話人
前述の中国に対する政策検討に際し、1997年のアジア通貨危機に際し中国がわが国の提唱したアジア通貨基金(AMF)設立の構想に反対した経緯等に照らし、中国はアジア通貨の創出には否定的ではないかとの一部の中国専門家の意見もあったが、3月23日に中国人民銀行の周小川総裁が国際金融体制の改革を求める論文を発表して、注目を集めた。同論文は単一基軸通貨の限界を指摘し「特定国から切り離され、長期的な安定を保ち得る国際準備通貨創造を提唱すると共に、具体策としてSDRの配分を増加し、SDRの活用をはかるべし」としている。
4月1日付け朝日新聞によれば、中国では昨年春以来、外交部、財務部、中央銀行の担当者のほか、研究機関や大学の専門家で構成される「アジア通貨協力検討会」が設置されている由である。アジア通貨単位(ACU)の活用、アジア中央銀行の創設等が検討課題とされているとされる。この様に中国がアジア通貨体制の構築に向け、専門家を糾合して、具体的検討を実施していることは注目に値する。
東アジアにおいては近来、ヨーロッパの地域統合や北米大陸のNAFTAの結成に刺激を受ける形で、地域協力を更に進めて地域統合をはかるべしとの動きが大きな流れとして進んでいるが、これまで具体的方策としては、環境やエネルギー及び金融技術面での協力といった機能別な協力の推進が中心であった。然し、今回の金融危機を契機に、更に一歩も二歩も進めて通貨面での協力を志向する動きがみられることが注目される。わが国としては、この様な新しい動きの中で、中国や他のアジア諸国と協力して、この分野でも主導的役割を果たすよう努力すべき好機である。(おわり)
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