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2009-02-14 00:00
(連載)クリントン国務長官の来日を歓迎する(2)
大河原 良雄
グローバル・フォーラム代表世話人
クリントン米国務長官は、今回のアジア訪問に際し、最初の訪問国である日本において、日米同盟の重要性を強調するのみではなく、オバマ新政権の東アジア政策の基調についての見解を表明するであろう。米国のアジア問題専門家達の最近における諸々の発言をみていると、日米同盟関係の不可欠の重要性を強調すると共に、米軍の再編成計画に対する協力やアフガニスタンの復興、インド洋の洋上補給活動の実施、ソマリア沖の海賊対策等に対する日本の具体的かつ積極的な支援・協力を求める議論が目立っている。例えば次期駐日大使候補の一人と目されているハーバード大学のジョセフ・ナイ教授が、ミュンヘンの安全保障会議の際の浜田防衛大臣との対談で、この様な要望に言及した旨の記事が目につく。
クリントン長官は、恐らく日本側首脳との会談に際し、同盟のパートナーとしての日本に対し、この様な要求を提起することが想定される。問題は、日本側がこれ等の「求め」に対し、何処まで積極的な対応を示し得るかである。外交舞台に初登場のクリントン長官は、東京での外交活動に強い期待を懐いていることは想像するに難くない。日本側は同盟のパートナーとしての期待に十分に応えて欲しいものである。
他方、日本側としても米側に対して「要求」し得る立場にある筈である。例えば、日本の防衛計画上日本側が入手を渇望しているF22戦闘機の輸入が、セキュリテイー上の理由により輸出が認められないとされているが、同盟パートナーとしての日本に対する特別の考慮が払われて然るべきであるし、輸出増による米国防産業の生産力維持の観点も考慮の対象に入れてよい点であろう。
もう一つ、別の問題をとり上げてみたい。ブッシュ政権は核不拡散の見地からイランに対して極めて厳しい政策を取りつづけてきたが、オバマ新政権はイランとの対話を進めて事態の改善を図ろうとしているとの報道が見られる。もしその通りであるならば、軍事政権との接触を断ち続け、その結果中国が圧倒的に優越する影響力の行使を強めているミャンマー(米のいうビルマ)についても、新しい対話の道を探ることによってその対外開放を求める柔軟な政策を追求することを考えてもよいのではなかろうか。クリントン長官に提起してよいもう一つのポイントではなかろうか。日米関係の上の大きな転機をもたらすとも考えられる、クリントン長官来日の意義を再思三考すべき時である。(おわり)
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