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2009-01-28 00:00
(連載)オバマ演説に日本を思う(2)
岩國 哲人
衆議院議員
1981年に就任したレーガン大統領は、失業率10%、インフレ15%、金利20%という、ヘレンケラーの三重苦にも相当する3つの異常な米国経済指標と米ソ冷戦の下に就任演説を行い、「強い米国」の再生をうたい上げて、少なくとも一時的にはその実現に成功している。オバマ大統領の演説に、「しかし、アメリカよ、それは解決できる」「米国はなお若い国だから」という自信の強烈な言葉はあっても、レーガン時代とは異なり、米国の自信だけで世界が変らないことを、米国人自身がすでに認識させられている。
信頼、決意、勤勉、信念、誠実、忠誠、公正、寛容、希望、美徳、愛国心、協力、団結、責任などなどの言葉を並べてアメリカ国民の精神的高揚を求めても、それが経済指標や株価の高揚につながらないことは、演説からわずか3時間後のニューヨーク・ダウが示している。政治に期待し、熱狂する米国と、冷め切った日本。オバマ支持率79%の米国と麻生不支持率が79%の日本。日米政治の違いをいやという程に見せつけられた1月20日だった。国民が心を合わせ、一つになれるリーダー(指導者)を持つ国だからこそ、チェンジにエンジンがかかる。
ひるがえってわが国日本。「リーダー」は永田町の英語辞典では「READER」と書かれていて、もっぱら官僚の原稿を「読む人」で「指導する人」ではない。この長年の誤訳は、いつになったら訂正されるのだろうか。オバマ大統領が敬愛してやまないリンカーン大統領の言葉「ジンミンの、ジンミンによる、ジンミンのための政治」は、あまりにも有名である。それがわが日本では「ジミンの、ジミンによる、ジミンのための政治」と誤訳されて60年。こちらの誤訳もいつになれば訂正される日がくるのだろうか。アメリカが変わる、世界が変わる、その中で日本は変われるのか、我々もまた問われている。(おわり)
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