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2009-01-20 00:00
オバマ政権のリーダーシップに期待する
若林 秀樹
グローバル・フォーラム常任世話人
本日、1月20日に、バラク・フセイン・オバマ氏が第44代米国大統領に黒人で初めて就任する。大統領選が始まった2年前、誰が今日のオバマ大統領の誕生を予想したであろう。へムリ戦略国際問題研究所(CSIS)会長は、大統領選におけるオバマ氏の当選を「アメリカ民主主義の勝利」であると称えた。改めてオバマ新大統領の誕生に対し、心よりお祝いを申し上げたい。
オバマ新政権に対する国内外の期待は極めて高い。それは8年間続いたブッシュ政権の反動から「アメリカを大きく変えて欲しい」という気持ちの表れであるが、あまりにも期待値が高いが故に、国民が裏切られたと感じるときの反動は、逆に大きいことも覚悟せねばならない。
しかし期待値が高いということは、国民はオバマ政権に対して耳を傾けようということであり、新政権が正しい政策を打ち出せば、むしろ「アメリカ社会は大きく変革する」可能性は高いことを意味する。国際社会も、米国の単独行動主義に対して厳しく批判し、かつてのようなパワーや存在感は薄れたと言いながら、実はオバマ新政権の指導力に大きな期待を抱いているのである。何故ならば世界には依然として米国に代わってリードできる国は無く、国連を中心とする国際社会の枠組みがいつも機能するとは限らないことを知っているからだ。特にこの半年間、世界ではロシアのグルジア侵攻、金融危機の勃発、ムンバイでのテロ、イスラエルのガザ侵攻等、世界を震撼させた様々な出来事が起こり、米国のリーダーシップに対する期待値はむしろ高まったのではなかろうか。
オバマ政権の外交政策は、駐日大使の噂があるジョセフ・ナイ教授が打ち出したソフトパワー(外交や文化など非軍事的な力)を重視し、国際社会との協調を打ち出している。地球温暖化等の環境問題、地域紛争やテロへの対応、核軍縮・核不拡散、感染症への対応、世界金融危機等の問題を考えると、今ほど国際協調が必要な時代は無い。オバマ政権が的確な外交政策を打ち出せば、国際社会は耳を傾け、世界は大きくチェンジするであろう。オバマ政権のリーダーシップに大いに期待したい。
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