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2008-12-01 00:00
常任世話人だより(3):「第43回外交円卓懇談会」について
村上 正泰
グローバル・フォーラム常任世話人
今回の「常任世話人だより(3)」では、さる11月19日(水)に開催された第43回外交円卓懇談会について、所感を述べます。外交円卓懇談会とは、グローバル・フォーラム、日本国際フォーラム、東アジア共同体評議会のメンバー、会員、議員が、来日する海外の専門家や在京の各国大使などと率直かつ内輪で懇談するための場ですが、今回はミコラ・クリニチ駐日ウクライナ大使を講師に招き、「ウクライナがみる黒海地域の安全保障と安定」と題して開催されました。
本年8月のロシアによるグルジア侵攻を受けて、GUAM諸国(グルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドヴァ)の所在する黒海地域の安全保障と安定がにわかに世界の注目を集めています。なかでも、地域の大国であるウクライナの動向が注目されています。クリニチ大使は、グローバル・フォーラムが昨年開催した「第2回日・黒海地域対話」にも基調報告者の1人として参加してくださるなど、当フォーラムとは浅からぬご縁のある方ですが、同大使から最近の黒海地域情勢について、貴重な見方を聴くことができました。
クリニチ大使は、目下の最大の争点であるウクライナのNATO加盟問題について、(1)集団安全保障は一国だけの安全保障より安価で信頼できること、(2)PKOなどでウクライナはすでにNATOに事実上参加していること、(3)地政学的にウクライナは中立国たりえないこと、(4)軍需産業が発展していること、(5)ウクライナが大きな軍隊をもっていること、(6)ウクライナが民主主義国であること、という6つの理由を挙げて、その必要性を力説されていたのが印象的でした。本年4月のブカレストでのNATO首脳会議では、ウクライナのNATO加盟について明確な道筋は示されませんでしたが、クリニチ大使は「遅かれ早かれ加盟することができると考えている」と述べていました。しかし、同時に、「アメリカが最も積極的に支持している一方で、ロシアの猛烈な反発があり、消極的な国も多い」として、先行きに懸念を示されていたこともまた印象に残りました。
グローバル・フォーラムでは、現在「第3回日・黒海地域対話」の来年開催に向けて準備を進めていますが、日本人にとって依然として馴染みが薄いものの、大きな戦略的重要性を有する、この黒海地域にはますます注目してゆく必要があると感じました。
なお、当日のより詳細な「メモ」につきましては、日本国際フォーラムのホームページ(http://www.jfir.or.jp/j/research/memo/43_081119.htm)に掲載されていますので、ご関心のある方はそちらをご覧ください。
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