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2008-11-13 00:00
(連載)オバマのニューディールは成功するか?(2)
石川 純一
フリージャーナリスト
オバマ次期大統領は、公共投資以外にも、中・低所得者向け減税や国民皆保険の実現など弱者に手厚い政策を掲げ、ウォール街の金融規制の強化も主張している。その狙いは、ルーズベルト政権を源流に戦後主流となった「大きな政府」の復活を目指していると言ってよいだろう。この観点からすれば、オバマ次期政権は、マケイン陣営が喝破したごとく、文字通り「社会主義的」である。そして、米国民は、これを「変革」というスローガンの下に受け入れたわけだ。
2008年度の米財政赤字は、イラク戦費やブッシュ現政権の景気対策により、4548億ドルと過去最大の規模になった。今後、金融機関への公的資金注入に加え、自動車産業の救済や、追加景気対策で大盤振る舞いを続ければ、財政赤字はさらに膨張せざるを得ない。そしてこれは、世界の基軸通貨ドルへの不信を招き、長期金利が急伸し、米国から資金が逃げ出す悪循環に陥る公算もなきにしもあらずである。
今次大統領選に関する米CNNの出口調査では、有権者の62%が「経済」を最大争点と答え、「イラク戦争」は10%にとどまった。事前の世論調査で示されたオバマ氏の経済運営への高い信頼度が、投票行動に反映された格好だ。オバマ、マケイン両氏の支持率が各世論調査で拮抗し、マケイン氏がリードした調査もあった選挙戦終盤の9月中旬に、米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻した。金融危機の深刻化はマケイン陣営には大きな誤算で、初の黒人大統領誕生の原動力となった点は否めない。経済によってホワイトハウス入りし、その経済によってホワイトハウスの主の座を追われることになるかもしれないオバマ次期大統領は、実に重い課題を担っているのである。(おわり)
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