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2008-11-10 00:00
問題はアフガニスタンだ
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
イラクはともかくとして、アフガニスタン派兵の増強については、オバマ次期大統領もブッシュ現大統領と意見の一致が見られているようだ。いうまでもなく9・11実行犯のアルカイダとその首魁ビン・ラデンの掃討が目的である。
そもそもイラク侵攻も、その大量破壊兵器保持とアルカイダとの関係(この両者の間にも因果関係があると噂された)を理由とするものであったが、結果的には両方とも存在しなかった。関係の存在について、米国が踊らされた情報はアルカイダの謀略によるという説と、いやそもそもないことは知っての上だったのだという説がある。それはともかく、マリキ政権を擁立してはみたものの、予想された通り腐敗はひどいようだし、治安の回復もとても予告通りには進んでいない。どちらにしても、これ以上の泥沼化を回避するためには、現地政権に後事を託して、早かれ遅かれ撤収するにしくはないだろう。問題はアフガニスタンだ。
こちらの方は、憎さも憎いアルカイダ、就中ビン・ラデンをやっつけるまでは、振り上げた拳の降ろしようがない。アルカイダと協力関係にあるとして打倒したタリバン政権だったが、双方共にゲリラ化した上、特にアルカイダにパキスタン国境あたりに山ごもりをされてみると、早急には手の施しようがない、というのが真実に近いだろう。となると、とりあえずはタリバン残党とだけは事態を収拾して、じっくりアルカイダを干しあげにかかるというのが、どうやら現実に対応できる唯一の策だ。ということで、現地のペトレウス司令官にその動きがあると言われる。『フォーリン・アフェアーズ』誌最新号にも、それを強く勧めるラシッドの寄稿がある。
残り少ない任期中にブッシュ政権がそうした動きに出るかどうか。ややこしいことが複数あったときには、まず対象を絞り込む、というのは伝統的な手法だ。もしかすると日本の頭越しの北朝鮮の話も、そのひとつかもしれない。
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