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2008-09-30 00:00
麻生首相の外交デビューはまずまず
伊奈久喜
新聞記者
前回9月8日の本欄「議論百出」への投稿で「外交的には最悪だった福田辞任のタイミング」と書いたが、それを一部撤回する。9月1日の福田康夫首相の辞任、10日自民党総裁選告示、22日投票、24日臨時国会・首相指名、組閣のスケジュールでは、新首相の国連総会出席は無理と考えたからだ。その場合、日本の首相は3年連続、国連総会に姿を見せないことになり、それで「安保理常任理事国になりたい」と言っても説得力がないと思った。
予想は裏切られた。麻生太郎首相は24日夜に組閣し、翌25日午後2時半には羽田からニューヨークに向かった。滞在時間は10時間、機中泊だけの厳しい日程にもかかわらず、国連総会に出席した。解散・総選挙も意識したのだろうが、それにしても例えば福田前首相なら、嫌がったろうし、行ったとしても、官僚が準備した演説を読むだけだったろう。麻生演説はそうではなかった。無論、政策的には一通りのポイントを網羅しているが、文章は麻生節である。総裁選挙中から準備していたらしい。
外交政策に関する限り、麻生政権は福田政権の部分否定である。その意味で第2次安倍政権との見方さえある。象徴的なのは集団的自衛権の憲法解釈見直し問題だ。麻生首相は、ニューヨークで記者団に、見直しの意向を表明した。安倍政権が設置した有識者会議の結論は、福田政権時代にまとまったが、福田前首相は座長だった柳井俊二元駐米大使が報告書を提出する場面を取材させなかった。初めは町村官房長官に受け取らせようとしたくらいであり、要するに報告書など見るのも嫌だった。振り子が振れたわけだが、麻生内閣がいつまで続くか。総選挙の結果しだいであり、自民党が敗れれば、11月には退陣に追い込まれる。日本の内政の混乱が外交力の機能不全を招く場面がしばらく続く可能性がある。
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