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2008-09-29 00:00
政局所感、3題
杉浦正章
政治評論家
【総選挙の日程は変わるまい】
異常ともいうべき国交相・中山成彬の辞任で、解散が遠のいたと言う見方が自民党内に出ているが、浅薄な見方だ。首相・麻生太郎は福田康夫に比べて電光石火の処断をした。これで問題は“異常なる代議士”の一過性の「自爆テロ事件」の範疇にとどまる。総選挙の頃は中山のなの字も出ていないだろう。「10月21日公示、11月2日投開票」の日程で走りだしている早期解散の流れは変わるまい。そこで麻生太郎がどう解散時期を判断するかだが、あきらかに本会議での小沢一郎とのやりとりで決断する方向だ。麻生はきょう29日の所信表明演説で、補正予算案の賛否を小沢に質問するという。極めて珍しい対応である。これに小沢が1日の代表質問でどう答えるかだ。本会議の場が事実上の党首会談の場になる。民主党幹事長・鳩山由紀夫は審議引き延ばしをしないと明言しており、これを小沢が踏襲すれば、予算委員会で補正審議後の事実上の話し合い解散となるだろう。突っぱねれば麻生は、代表質問直後の3日解散など別の対応をする可能性がある。その場合でも11月3日投開票の線はまず動くまい。
【世論調査のアナログ判断】
世論調査は一見科学的に行われているが、判断する者がアナログだから、よほど注意しないと間違う。麻生政権の発足早々の支持率への判断にも、重大な間違いがある。各社安倍内閣や福田内閣発足時の調査結果と比較して低いと指摘しているが、そうではない。むしろ高いくらいだ。なぜかといえば、“発射台”が違うからだ。例えば朝日は麻生内閣支持率48%で「安倍内閣発足時(06年9月)の63%、福田内閣発足時(07年9月)の53%を下回った」としている。しかし前政権終了時の内閣支持率を無視している。政権終了時は時事通信の調査では小泉内閣43.3、安倍内閣27.3で福田内閣の15.8を大きく上回っている。新政権の支持率から旧政権の支持率を差し引いた上げ幅を判断材料にしなければ意味がない。麻生の場合、福田の15.3%を引き継いだ後の50%前後の支持だから35%の上昇幅があり、決して悪い数字ではない。判断する側に調査をテコに政権を叩こうという意図があれば、アナログ的に曲げられる。
【アジテーターみのもんた】
影響力の大きい民放報道番組で人気のあるのが、みのもんただ。分かりやすいが安っぽい“正義感”で、大向こう受けを狙った高視聴率狙いの番組を展開している。しかし政治は全くの素人で、方向音痴のケースは枚挙にいとまがない。たとえば「政府の無駄遣いがなんと12兆6000億円」が口癖。さすがに経済財政相・与謝野馨に「国家予算は全体が80兆、うち利払いが20兆、地方への交付が20兆、社会保障が20兆でこれは動かない。残りの20兆が一般財政経費だが、この中で12兆6000億の無駄は全くありえない」と諭されて、「ぎゃふん」となって黙った。しかし半年以上にわたり「12兆6000億の無駄遣い」と言い続けた、“罪状”はどうなる。いまや、みのもんた発生源の“風聞”が民衆に定着してしまっている。政府はあまりにひどい事実関係の誤認は当然クレームをつけるか、ちゃんと人を派遣して説明すべきではないか。大衆アジテーターのじゅうりんにまかせるべきでない。TBSは、みのもんたが「政治家は何やっている!」と罵倒する番組をやると大々的に前宣伝しているが、事実関係だけは事前に“教育”しておいてほしいものだ。
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