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2008-09-18 00:00
政界再編は“加藤の乱”から?
杉浦正章
政治評論家
民放テレビの対談で民主党最高顧問の渡部恒三が、唐突に自民党元幹事長・加藤紘一に対して“加藤の乱”再発を持ちかけた。総選挙前の与野党激突状況なのにおかしいと首をかしげたが、加藤はまんざらでもない様子。次いで17日には加藤が民主党代表代行の菅直人との対談で、“パーシャル連立”の必要を唱えた。なにかあるぞ、と政界ウオッチャーなら誰でも思うだろう。総選挙の成り行きはこれまでのところ週刊誌と三流評論家しか予言できないが、自民、民主両党が伯仲して、いずれも過半数に達しない可能性も生じている。そうなったときに来るのが政界再編だ、と言えば聞こえがいいが、食うか食われるかの陣取り合戦だ。既に自民党は参院民主党の懐に手を突っ込んで、再編の受け皿「改革クラブ」を発足させている。恐らく舞台裏では、民主党も自民党側に手を突っ込んでいるに違いない。
対談で渡部は「民主党が過半数取れればいいが、取れないとなれば、このままでいいのかという話だ。加藤さんにお願いして、政界再編を考えなければならない」と強調。次いで「加藤さんは昔“加藤の乱”をやった。今度は本気になってやろうよ」と持ちかけた。“加藤の乱は”は、2000年に森内閣打倒を目指して加藤紘一・山崎拓らが起こした“反乱”。結局鎮圧されて、その後加藤は“冷や飯”を食い続けている。しかし政局、政治の読みは鋭く、テレビ・メディアでの露出度は高い。菅は対談の中で「大連立は望ましくない。そうでない形で衆院の多数、参院の多数が連動できるような方策を考える」と述べたが、これは言ってみれば、自民党分断を狙っていることにほかならない。これに応ずるように加藤も「パーシャル連立というのか、何らかの柔構造をつくり上げないと駄目になる」と発言した。かって大平正芳が唱えたのはパーシャル連合で、主に政策面での与野党協力だが、加藤は“連立”と一歩踏み込んでいる。
こうしたおりもおり、民主党内では政権を取った場合の「小沢内閣」の顔ぶれが取りざたされているが、その中に“加藤農水相”が含まれているという。まだ政権が取れるかどうかも分からないうちに、気の早いことだが、瓢箪から駒の例えがあるのが政界。いちがいにふざけ半分と決め付けられないところが面白い。加藤はさる3月、民主党元政調会長の仙谷由人らと超党派勉強会「ビビンバの会」を発足させ、「リベラル派の結集」を旗印に政界再編への布石を打ち始めている。本人も「評論家」からの脱皮を宣言している。加藤の動きは、今のところ南方洋上に発生した低気圧程度だが、自民党の議席次第で大型台風に発展する可能性も否定できない。
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