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2008-09-13 00:00
(連載)「サブプライムローン問題」再考(1)
池尾愛子
早稲田大学教授・デューク大学客員研究員
アメリカでは、2週間続けてハリケーン情報が欠かせない状況が続いている。先週は「グスタフ」がルイジアナ州に、「ハンナ」が両カロライナ州に上陸したのに続き、今週は「アイク」がテキサス州を直撃している。「ハンナ」は一部の海岸地域と低地に水害をもたらしたが、事後処理はカウンティ(市町村)レベルでの仕事に収まった。「グスタフ」はメキシコ湾岸の4つの州に水害を与えただけではなく、共和党大会の開催をも1日遅らせることになった。同党の副大統領候補はその直前に発表され、大きな話題をさらっていることは言うまでもない。私も共和党大会を生中継で半分以上は見ていた。
共和党の副大統領候補は、元気で聡明な女性(アラスカ州知事、子供5人、元ミス・アラスカ)である。夫君がアラスカ独立党(と訳しておく)メンバーである(あった?)ことは、メディアによれば、どうでもよいそうである。初ものづくしであることは確かである。テレビなどを見る限り、彼女の敵陣もそうだが、女性コメンテータ陣も試されているように見える。それでも、エネルギー問題に強そうなところは、アメリカに大きな問題提起をもたらすことにつながる可能性があるかもしれないので、大いに期待したい。
ハリケーンも副大統領候補も大きな話題だが、海外には遅れて伝わるようである。ちょうどそれらの話題が海外の一般の人たち間で大きな話題になった頃(それをまるで狙ったかのように)、9月7日(日)の早朝に(アメリカ)史上最大の金融機関救済のニュースが発表された。朝、歯切れの悪いラジオ放送を聞いたあと、すぐにテレビなどを見ると、Mortgage (譲渡可能な住宅抵当権や抵当証券)の取扱い専門の政府系住宅金融機関のファニーメイとフレディマックを "Conservatorship" におく方針が、ポールソン財務長官によって日曜早朝に発表されていたのである。日本語では「政府管理下」におかれると訳されている。
アメリカでは、ファニーメイもフレディマックも(過去の民営化政策により今は)私企業であるという認識である。それでも、両企業が発行した債券などが海外の(大口機関)投資家によって保有されていて、このまま放置すれば世界の金融システムが混乱するという認識に基づく海外からの強い要請により、"conservatorship" の措置を取ることになった、そして2社の経営トップは交代することになった、という説明の仕方になっている。元イタリア中央銀行総裁のコメントが録音でしばしば流されていたほか、アメリカに対する対外黒字を重ねて米ドル建て資産を蓄積している中国からの要請でもあることが繰り返し報道されていた。(つづく)
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