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2008-09-05 00:00
麻生独走の自民党総裁選の流れ
杉浦正章
政治評論家
派閥選挙でなく、政策論争になってゆくことは、自民党にとって極めて良好なことだが、本筋を見間違ってはならない。決めるのは、論争の動向ではなく、「総選挙に勝つ総裁」かどうかである。加えて「誰がリードしているか」である。要するに総裁選挙も、総選挙も、自民党は「勝ち馬」に乗りたいのであって、その流れは麻生太郎に向いている。今朝の新聞の見出しは朝日新聞が面白い。「麻生氏に3氏対抗」と“1強3弱”を暗示した見出しだ。しかし、これでは与謝野馨がかわいそうだ。メダルで言えば麻生金、与謝野銀、「タレント的な二人」が銅か、メダルに及ばずという感じか。政策論議は「景気対策のために、財政出動も辞さない、積極財政派の麻生」、「財政再建のために、消費税導入も辞さない、与謝野」、「増税よりも経済成長を重視する上げ潮派の小池百合子、石原伸晃」の戦いになる。実質的には、プライマリー・バランス(基礎的財政収支・PB)を2011年達成より先送りしてもよいとする麻生に対し、PB堅持の与謝野の戦いが焦点となる。
どちらが総選挙対策で有利かだが、まず上げ潮派は経済成長重視といっても、いささか悠長すぎて、総選挙を目前とした自民党にはマッチしない。麻生と与謝野のPBをめぐる論争が注目されるが、自民党内は、「愚直にやる」と一般消費税導入を明言して衆院選挙に突入しようとした大平正芳が、ごうごうたる世論の反対と自民党内の動きに押されて、衆院選公示日の第一声で導入構想の撤回に追い込まれ、敗北したトラウマがある。消費税を掲げて選挙しようとする与謝野への危惧(きぐ)感が生じている。逆に麻生は、PBは必要としながらも、とりあえずは先送りの柔軟路線であり、自民党地方組織も財界も景気対策が必要との大合唱の中で、受け入れられ易い政策を主張している。消費税も社会保障目的税としては必要としながらも、幹事長になってからは将来課題へとニュアンスを変えている。政策論争の「得票」に与える影響は、愚直派の与謝野より、景気重視派の麻生が有利となるだろう。
一方で、党内各派の動向を見ると、麻生以外の3候補に一本化する動きは見られない。大勢としては、「自主投票」で麻生への流れを作っている構図だ。小池を推す中川秀直が代表世話人の最大派閥町村派も、派内に影響力の強い最高顧問・森喜朗が麻生支持であり、自主投票。石原を抱えながら山崎派も、自主投票。古賀派も自主投票の方向。伊吹派に至っては麻生支持を打ち出した。津島派にも麻生支持が広がりつつある。 47都道府県連の地方票141票の動向も焦点になるが、麻生は、前回の総裁選挙ですら、地方票で46・1%を得て、53・9%の福田に7・8ポイント差にまで迫る善戦をしている。むしろ麻生は、地方に人気がある傾向がある。地味な与謝野に地方票はそれほど流れまい。こう見てくると、麻生が独走と言ってもよいほどのリードを見せており、よほどの失言や誤判断がない限り、この流れは変わるまい。背景に「総選挙の顔」として誰がふさわしいかという意識があることは間違いない。
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