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2008-09-03 00:00
(連載)ケント・カルダー教授に聞く日米同盟論(3)
入山映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
また、質疑応答の中で、米国に向けて発射されたミサイルを撃破できなかったり、共同作戦中の米国艦船に対する攻撃に対応できないという、いわゆる集団的自衛権行使不能の問題について、そんな片務的な条約を米国が容認できるのか、という刺激的な質問に対して、「問題の所在を端的に指摘する質問者の力量には敬意を表する」と微笑を浮かべて応答しながら、「日米同盟というのは、もっと広汎(broad)な内容のものであり、そうした一つの例によって影響を受けるものではないだろう」とかわした。
日本の民主党(特に鳩山由紀夫氏)の基地問題に対するコメント、あるいはオバマ氏のブレーンと目される人々の発言に対しても、「政権党の立場になれば、自ずからもっと真剣になるだろう」と返答。日本の防衛問題に対する曖昧な対応(ambiguity)についても、「曖昧さそのものがバランシング・パワーになっていると思うよ」と余裕の回答である。小泉・安倍・福田政権の対中姿勢の変化についても「政治的対応(political play)の差に過ぎず、基本的姿勢に変化があったとは思わない」という。
「敵か見方か」と対応を迫ったり、善玉と「悪の枢軸」に二分したりする米国の政治的発言に、このところ慣れっこになっていたわれわれに取っては、ダブル・スタンダードとは違った意味で、二枚腰、三枚腰の外交対応の発言を久しぶりに聞いた、ような気がしたものだ。とかく黒白をはっきりさせることの好きな日本の外交論調の中で、こうしたやり取りを久しぶりに聞いた、ような気がしたことだった。(おわり)
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