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2008-08-27 00:00
歴史は北京五輪の「専制」を許さない
佐島直子
専修大学教授
北京五輪が終わった。数々の感動を与えてくれたアスリート達には心から敬意を表したい。しかし、この五輪が残したなんとも不快な後味の悪さは、世界各国のアスリートのさわやかな活躍によっても、決して消えることはない。
今改めて中国指導者達に問いたい。あの「ひたすら強大で、限りなく虚飾に満ちた、猛々しい開会式」に、世界の人々がどれほどおぞましさを感じたか、気づいているのか?あの「不自然で、慇懃なボランティア達」に、世界の人々がどれほど寒気を感じたのか、知らないのか?あの「極端に偏向した騒がしい応援」を、世界の人々が耳をおおっているのが、わからないのか?あの「勝利のためならば、暴力的な違反さえ繰り返す選手達」に、世界の人々がどれほど眉をひそめているか、気づかないのか?
そして、このオリンピックが表象する中国のとてつもない幼児性や反規範性に、世界があきれ果てているのが、わからないのか?まるで、知性や教養のない成金の親を持った幼稚なガキ大将の振る舞いのようである。本人がふんぞり返ればかえるほど滑稽で、最初は微笑んでいた近隣の親達の顔もそろそろこわばって、このままにはしておけない、とささやきあっているかのようだ。中国よ。いつまでも、どこまでも、こんな態度が許されると思っているのか?あまえるのもいい加減にしてほしい。
今回、中国が世界に詳らかにしたものは、人権尊重からも、民主主義からも遠い、「力」と「恐怖」のオリンピックであり、社会である。「専制」の政治である。何かが完全に狂っている。中国の指導者よ。笑われているうちはまだよい。そろそろ目を覚まさなければ、歴史は「専制」を許さない。
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