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2008-07-30 00:00
座間市のキャンプ座間米軍再編計画容認を評価する
佐島直子
専修大学教授
7月28日、防衛省は、既に新司令部が発足している在日・米陸軍キャンプ座間に関し、常設の協議機関「キャンプ座間に関する協議会」の設置を座間市側に提案した。同日、市や市議、自治会でつくる「基地強化に反対する座間市連絡協議会」もこれを了承し、「市連絡協議会」の解散が決定された。「座間に関する協議会」の年1回の代表幹事会には、防衛省サイドから地方協力局長と南関東防衛局長が出席し、市側は市長がメンバーになる見込みである。実務レベルの幹事会は年4回開催され、継続的に交渉や情報提供を行う。これによって、座間市側は事実上、米軍再編計画の容認に転じたことになる。基地の恒久化解消策として、同様の協議機関が常設されるのは、沖縄県を除き初めてである。
星野座間市長は「協議機関の設置で、交渉権が確立できる」と提案を評価している。地元住民は、米軍再編に伴う負担軽減などを現実的に協議する場が設置されたことで、今後の交渉の円滑化が期待できる。国と座間市の間では、既に1971年に、横浜防衛施設局長(当時)と座間町長(当時)が、「基地縮小に最大限努力する」という覚書を交わしており、今回設置が決まった「座間に関する協議会」は、その主旨を具現化するものである。地元住民の中にはその実効性確保にいささかの不安を抱く者もいるようだが、ようやく築かれた信頼関係のスキームを維持できるよう、関係各位の変わらぬ努力を求めたい。松沢成文神奈川県知事も、「国と市の間で話し合いの枠組みができることは望ましい」とのコメントを出している。
在日米軍再編計画、なかでも座間市に設置された米陸軍司令部の役割、を日米同盟強化の立場からこれまで高く評価してきた筆者としても、座間市及び座間市民の今回の英断を高く評価いたしたい。
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