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2008-07-30 00:00
解散は「秋か年末・年始」の流れ
杉浦正章
政治評論家
できれば任期満了選挙に持ち込みたいという自民党と、早いほどよい民主党との解散綱引きは、秋の臨時国会末から年末年始へと焦点が固まりつつあるようだ。秋の臨時国会なら与野党は激突のまま解散、年末年始なら事実上の話し合い解散の可能性もある。近く行う内閣改造に首相・福田康夫が成功すれば、福田の手で解散だが、失敗すれば「ポスト福田」の浮上だ。
これまで任期満了選挙を唱えてきたのは小泉純一郎、森喜朗、古賀誠らだが、いずれも「見通し」ではなく、「恣意的な解釈」であった。任期満了なら自民党が窮地を脱せられるという間違った判断だ。しかし、1976年12月の三木武夫が行った任期満了選挙では、自民党が惨敗した。総選挙の時期があらかじめ設定されれば、野党はあらゆる手段を講じて政府・与党を追い込もうとする。任期満了選挙はかえって不利になる、ことが分かってきたのである。解散権の行使とは、政界における戦闘開始の宣言であり、これは「天の声、地の利」を判断して、首相が積極的に「打って出る」チャンスなのである。
いま出ている年末年始解散の流れは、公明党の戦略転換に起因している。同党は、都議会選挙とのダブル選挙を避けたい事を口実にしているが、根底には「福田自民党」離れがあるのではないか。政権与党指導者としての福田の能力に疑問を感じ始めたのである。口火を切ったのが前代表・神崎武法。「福田首相の手で衆院解散になるのか、次の首相で解散になるのか分からない」という発言だ。次いで同党幹部らから一斉に年末年始選挙を睨んで、臨時国会の九月末招集論と、自衛隊の給油支援活動措置法延長への慎重論が出始めた。公明党は選挙後の政界再編までにらんで、明らかに戦略を転換し始めた事を意味する。
これに対して、公明党票を失った自民党では選挙戦が成り立たない事を熟知している自民党選対委員長・古賀は、公明党の九月末臨時国会招集に同調し、「年明けしか解散・総選挙のタイミングは考えられない」と言い切った。森も、通常国会での話し合い解散を発言するに至った。こうして与党内部からの思いがけない“突き上げ”で、解散時期をめぐる綱引きが、一挙に民主党側に引き寄せられる形となっている。民主党副代表の岡田克也が「どんなに遅くても1月だと思う。もっと早いかもしれない」と述べているのは、こうした事情を背景にしている。
今後民主党は臨時国会を「政権獲得へ向けた最終決戦」と位置づけ、政府・与党を追い込もうとするだろう。従って、弾みで解散総選挙になだれ込む可能性もかなりある。しかし政府・与党としては、来年度予算で十分な“選挙対策”をしたうえで総選挙をしたい、というのが今後基本戦略となろう。与野党の解散時期への思惑が「年末・年始」で一致すれば、1958年に自民党総裁の岸信介と社会党委員長・鈴木茂三郎との党首会談で解散を決めたように、「話し合い解散」が実現する公算も出てくるだろう。
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