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2008-07-23 00:00
(連載)先行き不透明な中東情勢を読む(2)
石川純一
フリージャーナリスト
次はイラク問題。駐留米軍が現在行っている治安維持活動を、編成が完了に近づいている新生イラク軍が引き継ぐことは既定の事実だが、これがすんなりいくかどうかだ。駐イラク多国籍軍治安移行部隊司令官のジェームズ・デュビック米陸軍中将は9日、米下院軍事委員会の公聴会で、米地上部隊によるイラクでの治安維持任務は「2009年半ばまでにほぼ完了する」と証言した。同司令官はまた、イラク軍への治安維持任務の移行が2009年の第1四半期から開始され、2012年には完全移行が達成される、と断言した。米陸軍高官がイラク治安維持任務の終了見通しについて言及したのは初めてである。米国の次期大統領が誰になるにせよ、4000人以上の戦死者を出している「テロとの戦い」の最前線であるイラクにおける米軍の軍事行動が2012年には終わるということだ。
国際テロ組織アルカイダの指導者ビンラディン、副官ザワヒリの行方はようとして判明しておらず、その殺害もしくは拘束にブッシュ政権は最後の努力を注ごうが、次期大統領も頭を悩ますことは避けられない。米国をはじめとするG8首脳は、この21世紀の犯罪について共同歩調を取らなければならない。北朝鮮が核計画申告書を提出し、これを受けてブッシュ大統領が6月26日北朝鮮に対する経済制裁を撤回し、「テロ支援国家」指定を解除する手続きに入ったのに対し、「悪の枢軸」のもう一方の片割れであるイランの核問題は、進展薄だ。ライス米国務長官は10日、ミサイル実験を9日実施したイランに対し、「われわれは米国や同盟国の権益を守る」として、「イランの脅威を防ぐ手段」として、ミサイル防衛(MD)網の整備などに努める考えを改めて強調した。
グルジア訪問の際の記者会見で語ったもので、AP通信によると、ライス長官はMDが運用されることになれば、「イランのミサイルは役に立たなくなるだろう」と述べ、MDの意義を指摘。また、フラトー大統領副報道官は同日の記者会見で、「ウラン濃縮と挑発的な実験は、イラン国民をより孤立させるだけであり、中止するよう求める」と語った。無論、イランが「はいそうですか」と応ずる気配はさらさらない。要するに、米大統領選を控え、中東情勢は、日々の推移はあるものの、突破口を開ける能力を持った主人公がいないという状況だ。すべてはバラク待ち、もしくはマケイン待ちといったところだ。(おわり)
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